タイガース・前田健太 開幕に向けて視界良好! 古巣相手に4回無失点、4者連続含む7Kの芸術投球

[ 2024年3月13日 03:05 ]

オープン戦   タイガースーツインズ ( 2024年3月12日    フロリダ州レークランド )

タイガースの前田健太(ロイター)

 タイガースの前田健太投手(35)が12日(日本時間13日)、フロリダ州レークランドでのオープン戦・ツインズ戦に先発。昨年まで4年間在籍した古巣を相手に4回1安打無失点、全て空振りで7つの三振を奪うなど、完璧な内容を示した。

 65球の芸術的投球だった。直球の最速は90・6マイル(約145・8キロ)。剛球はなくても、カーブ、スプリット、スライダーなど多彩な変化球をストライクゾーンの隅に配球し、巧みに打者のタイミングを外す。さらにフィールディングでも自らの投球を助けるなど、投手としての総合力を示すマウンドだった。

 初回、先頭のキリロフには右前打を許したが、続くロドリゲスをスプリットで空振り三振。三振併殺で2死を奪うと、3番・ウォルナーもスプリットで一ゴロに仕留めた。続く2回は1死からセベリーノに四球を出したが、巧みなけん制でアウトにし、結果的に3人でこの回を終了。危なげなくスコアボードに「0」を並べた。

 圧巻は3回だ。7番・マーティン、8番・グッドラムをともにスプリットで、9番打者はスライダーで3連続空振り三振。2回2死、カマーゴからの4者連続三振と下位打線を全く寄せ付けなかった。4回は先頭打者に四球を与えたが、連続三振と中飛で危なげなく終えた。オープン戦3度目の登板で非の打ち所のない内容。マウンドを降りる右腕からは笑顔がのぞいた。

 新天地での初登板となった1日(日本時間2日)のフィリーズ戦では、2回を投げ、2安打1失点(自責0)、2奪三振。7日(同8日)のブルージェイズ戦では3回4安打2失点だった。前回登板後「投げている感覚は前回よりもすごく良くなっているし、悪くなかった。今は自分の感覚優先で投げたいボールを投げている。もうすぐバッターを抑えるための投球を思い出していかないといけない」と話していたが、言葉通りのプランを遂行した形となった。

 前田は昨季、右肘じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)から復帰し、6月23日(同24日)のタイガース戦で678日ぶり白星をマーク。以降は持ち味の安定感ある投球を続け、6勝8敗、防御率4・23の成績を残し、チームの地区優勝に貢献した。オフに2年総額2400万ドル(約35億5000万円)の契約を結び、タイガースに移籍。若手が多いチームの中で、ベテランとしての存在感を放っている。

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