杉本正氏 43歳の和田に存在感あり 固定された複数の先発投手が優勝へのカギ

[ 2024年3月5日 06:00 ]

ソフトバンク・和田(撮影・成瀬 徹)
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 【杉本正 鷹論】ソフトバンクの和田毅投手が、4月2日のホーム開幕戦(対ロッテ)に先発することが決まったようだ。43歳だが、それだけの存在感があるということ。キャンプの映像、コメントを見ていると非常に状態は良さそうな感じが伝わってくる。

 一番、それを感じたのは2月28日の西武との練習試合。1回を投げ、ホームランは打たれたが、3三振を奪った。スライダーの曲がりが凄く良く見えた。ボール球もあったが、打者が振るのはそれだけキレがある証拠だ。年齢を重ねてからのほうが、スピードは上がっている。以前は逆球の多い投手だったが、コントロールが安定し、球に力がある。私生活から野球に対する強い気持ちがあり、凄く節制をしなければ、あの年齢で体形もフォームも変わらず投げられないのではないか。

 ただ、和田に1年間、投げてもらうのは難しい。通常の先発投手で年間25~27試合。そうなると和田は20試合投げてくれれば十分だ。東浜、有原、石川の3人には経験値がある。彼らが万全ならば、ローテーションは外れずに戦ってほしい。強いホークスには斉藤和巳、和田、杉内俊哉、新垣渚と固定された先発がいた。固定された投手が複数いないと、優勝に近づかない。

 昨季は途中から1軍に上がり、ぎりぎり10勝した有原がチームの勝ち頭だった。先発は防御率より、勝ち星だ。防御率が4点台でも15勝してくれれば最高だと思っている。そういう勝てる投手の出現が、優勝の行方を左右するかもしれない。

 私にも経験はあるが、首脳陣はこの時期、誰が何勝してくれるだろうかという皮算用をする。有原が軸になり15勝、和田は10勝、東浜は復活して12勝など机の上でチームの勝ち星は90勝くらいになる。ただ、これがシーズンに入ると当てはまらなくなる。現在、未知数の選手がどれだけ稼げるかだろう。その意味では先発に転向するモイネロ。そういう選手の数字が積み重なれば、想像した数字への到達も夢ではない。 (スポニチ本紙評論家)

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