【スポニチスカウト部(4)】常総学院・武田勇哉 豪快アーチでセンバツ主役へ「優勝まで勝ち続けたい」

[ 2024年3月5日 06:00 ]

チーム一の飛距離が自慢の常総学院・武田(撮影・村井 樹)
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 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第4回は、第96回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)に出場する常総学院(茨城)の主砲・武田勇哉内野手(2年)。チーム一の飛距離を誇る不動の4番は、憧れの甲子園でのプレーを心待ちにしている。

 甲子園にようやく立てるその日を間近に控え、武田は高らかに宣言した。「甲子園では茨城県だけでなく、全国から注目されるような選手になって、優勝まで勝ち続けたいです」。全国にその名を知らしめ、今選抜の主役に躍り出る覚悟だ。

 春夏通算27度目の甲子園出場で、計2度の優勝を誇る常総学院。入学時からひときわ大きな体格だった武田への期待は特に大きく、1年秋から名門の4番を任され続けている。「最初は“まさか”という気持ちの方が大きくて。本当に自分で大丈夫かなという気持ちもありました」と当時を振り返ったが、一つの負けが武田の意識を変えた。

 「この試合で負けるとは思っていなくて…。抑えても流れが来ない不思議な試合というか、経験したことがない試合でした」

 昨夏の茨城大会4回戦。進学校の茨城と戦い3―5で敗退。「自分が先輩たちの夏を終わらせてしまった」と自身も4打数無安打。試合が進むにつれてスタンド全体が敵に感じた試合だったというが「どんな場面でも誰からも“武田に回せば大丈夫”と信頼されるバッターになりたい」と理想の4番像を掲げ、オフ期間は毎日納得するまでバットを振り続けた。

 選抜からは新基準の低反発の金属バットへ完全移行する。武田も使い始めた当初は「しっかり捉えないと飛ばなかったりして苦労した部分はあった」と感じていたが、今では紅白戦でも豪快な本塁打を放つなど「前のバットと同じように飛ぶようになった」と頼もしい。テレビでしか見たことのなかった甲子園で、ようやくプレーすることがかなう。「大歓声の中でチームを勝たせる一打を甲子園では打ちたい」。全国の高校野球ファンの度肝を抜く、豪快なアーチを描くイメージはできている。(村井 樹)


 ≪強打の原点 父との打撃練習≫ 高校通算11本塁打の武田の強打の原点は、父・康宏さん(45)との打撃練習にある。康宏さんは市川(千葉)時代、140キロ台中盤の直球が自慢の右投手として活躍。プロからも注目される逸材で、卒業後は東京六大学の法大へ進んだ。武田は高校入学までは父の球を打って打撃技術を磨いており「小学校の時とかは凄く速く感じた。でもそのおかげでバッティングは上達したと思います」と感謝した。

 ☆球歴 薬円台小1年から野球を始め、二宮中時代は白井中央ボーイズに所属。常総学院では1年秋から4番を担う。憧れの選手はカブス・鈴木

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