ソフトB今宮「また1年の始まり」 兄が住職を務める大分市の一心寺で恒例の寒行

[ 2024年1月20日 06:00 ]

ふんどし一丁で極寒の川に入り寒行するソフトバンク・今宮(撮影・岡田 丈靖)
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 「32歳組」共闘でV奪回――。ソフトバンクの今宮健太内野手(32)が、兄・年男さん(41)が住職を務める大分市の一心寺でオフ恒例の寒行を総勢29人で敢行した。白ふんどし一丁で寒冷水を体にかけ続け、石川柊太投手(32)、嶺井博希捕手(32)、新戦力の山川穂高内野手(32)、アダム・ウォーカー外野手(32)と同じ年のチームメートに対し、再起に向けてハッパをかけV奪回への共闘を誓った。

 苦行で心身を清めて己を再び、奮い立たせた。18日午後10時半から水温約10度の川に15分間の入水。全29人の仲間のうち最後まで寒冷水を頭にかけ続けたのが今宮だった。

 「また1年の始まりです、はい。いつも達成感があります。毎年一緒、変わらないですが今年こそやります」

 決意を口にし、一心寺を出発して自主トレ先の福岡県に戻ったのが19日午前1時前だった。寒行初挑戦の面々には昨季限りでソフトバンクで構想外となりDeNAに移籍した森唯斗の姿もあった。鷹の元守護神は、33歳シーズンに挑む今宮と同学年。「同じ年はプロでも多いんですが、今年はやらないといけない仲間ばかりですね。みんなで、もう一花、咲かしたいですね」と今宮は覚悟を示した。

 09年にドラフト1位で入団。同期は他4人いたが、現役は今宮だけだ。今季で高卒プロ15年目に挑む32歳は、チーム内の同じ年にもハッパをかけ、自らを発奮させた。「石川も勝負ですし嶺井もいます。まずは3月開幕のレギュラー獲り。そこからですね」。昨季、石川は4勝と勝ちきれず、開幕ローテーション入りは白紙の現状。嶺井は正妻・甲斐の代役の印象が強かった。さらには課題となっていた右の大砲問題を解決する山川、ウォーカーの新戦力2人も同じ年とあって共闘への思いを強くする。

 「みんなで、しっかりやらないといけないし、お手本にもなっていかないといけない。まずは、試合に出続けることですかね」

 寒行前、仏前に納めた木製の願い札に「1年、ケガなく健康第一」と記した。狙うは14年以来10年ぶりの全143試合出場。昨季はケガこそなかったものの5月末、7月中旬、9月中旬にいずれも体調不良で離脱した。

 「柳田さんは去年35歳で全試合に出た。レギュラーとして33歳で狙って優勝したい。あと何年プレーできるか分からない。本当に、まずはそこ」

 戦いは3月29日、敵地でのオリックス戦から始まる。相手の主砲でラオウこと杉本も同じ年だ。「本当に、いい選手ばかりですのでね。何とかね」。上半身裸、白ふんどし姿の今宮は、世代の意地を先頭に立って示そうとする気概も発していた。 (井上 満夫)

 《川瀬2年連続》正遊撃手の座を狙うソフトバンク・川瀬も、2年連続の寒行を無事に終えた。大分県国東(くにさき)市内で、海野と合同自主トレ中。「打撃中心のトレーニングをしてめちゃくちゃいい状態になってきています」と手応えを明かした。仏前に置いた願い札には「主力になる」と書いた。9年目に向けて「今宮さんだけじゃなく全員に負けないように。去年の秋にやれた自信を、今シーズンも出せたら主力になれると思う」と意気込んでいた。

 《海野は初の苦行》ソフトバンク・海野が、人生初の寒行で叫び声を上げ続けた。「正直、寒さをなめていました。震えがやばいです」と歯を揺らしながら、苦行を振り返った。大卒5年目の目標には「70試合以上出場」と設定した。正妻候補の甲斐や、嶺井らとの競争となるが「とにかく打撃を一番に考えています。70試合は出たいと思いますし、そうなればいい」。自慢の巧打を磨きつつ、スタメンマスクから狙う。

 ▽一心寺寒行
 水行着をまとい、霊山の湧き水を引いて作られた川で行をする。十三仏に祈りを捧げた後に入水。寒冷水を自らの身体に浴びせることで家内安全、無病息災、商売繁盛などを祈念する。今宮はプロ2年目オフの12年1月から寒行開始。一心寺は母・一子さんの実家で1963年(昭38)建立。阿部一僧正(故人)が開祖し、今宮年男住職は3代目。八重桜が咲く名所でもあり、今宮の後援会「翔健会」事務局もある。所在地は大分市廻栖野(めぐすの)1305。

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