阪神ドラ5石黒は久保田投手コーチから賛辞を引き出す　鈴木啓示氏「球に体の力が伝わる」

石黒のブルペン投球連続写真
Photo By スポニチ

　阪神の新人合同自主トレでは、19日にドラフト1位の下村海翔投手（21＝青学大）らルーキー4人がブルペン入りした。下村と同5位・石黒佑弥投手（22＝JR西日本）、同6位・津田淳哉投手（22＝大経大）は初ブルペン。2度目となった同2位・椎葉剛投手（21＝四国・徳島）も含め、本紙評論家の鈴木啓示氏（76）が投球をチェックした。

　ドラフト5位・石黒は初のブルペン投球を久保田投手コーチから絶賛された。現役時代「JFK」の一角として活躍した名リリーバーから「目立った。ボールの質が良く見えた。打ちづらさもあるでしょうし、テイクバックも小さいし、ボールの伸び、ベース板で強そう」と、うれしい言葉をもらった。これを聞いて喜ばない選手はいない。最速152キロの22歳右腕は「本当ですか？」と驚きつつ、「自分のやることは決まっている。ひたむきにこれからも頑張っていこうと思います」と力強く語った。

　捕手を立たせて20球。多くのコーチや首脳陣が見守る中、ミットの乾いた音をテンポ良く鳴らした。「バランス良く投げることを意識してやっていた。マウンドは少し硬かったですが、自分のピッチングができたので良かった」と振り返った。

　隣で投げたドラフト2位で最速159キロの椎葉の剛球が、嫌でも目に入った。「やっぱり球が速い。自分も参考にすることがたくさんある。コミュニケーションを取りながらいいところを吸収できるようにしていきたい」。同期からも刺激を受ける毎日。2軍スタートになった春季キャンプで巻き返すべく、休養日を挟んで迎える新人合同自主トレ第4クールでも、自分と向き合っていく。（杉原　瑠夏）

　【鈴木啓示チェック】いい回転の球を投げていた。低めに重心をキープして、フォームのバランスが崩れない。ボールにしっかり体の力を伝えることができる投手だと感じた。

　腕の振りもスムーズだ。全体的にバランスの良さは感じる。もう少しだけ肘が前に出れば、もっと肘が抜けて、球の切れが出てくるはずだ。

　これから、もっと状態は上がってくるはず。社会人出身で引き出しも多いに違いない。基礎を固め、総合力で抑える投球を期待したい。