阪神・井上 巨人・岡本に続き「右の長距離砲」DeNA・牧に弟子入り「勉強したくて」合同自主トレに参加

[ 2024年1月20日 05:15 ]

キックボクシングトレーニングを行う阪神・井上(撮影・八木 勇磨)
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 阪神・井上広大外野手(22)が19日、バラの街として全国的に有名な鹿児島県鹿屋市で、DeNA・大和、牧、益子と合同自主トレを行った。今月上旬に5日間弟子入りした巨人・岡本和から牧へと、セ・リーグ屈指の右の長距離砲に師事。19日に発表された春季キャンプの1軍メンバーにも入った井上が、2人合わせて打撃タイトル通算7冠を誇るスラッガーのエキスを吸収し、今季の1軍完走、そして“バラ色のオフ”へとつなげる。

 2人の接点を探すことすら難しい“合体”だった。生粋の関西人で高卒5年目を迎える井上と、大卒4年目で生まれも育ちも長野の牧。共通点は「右の長距離砲」のみだ。だが、これこそ井上が牧に弟子入りしようと考えたポイントだった。

 今月上旬、本塁打王3回と打点王2回を誇る岡本和との5日間にわたる自主トレを終えた井上は、「1月の間はもっと何かが得られる」と感じた。そして「セ・リーグの右打者を見ていると、牧さんがいた」。一層のレベルアップを期し、昨季打点王と最多安打に輝いた男への入門を決断した。

 「(牧は)長打も打てるし、追い込まれてからのアプローチもいい。簡単に安打を打ってるような感じ。打点の稼ぎ方も含め、勉強したくてお願いした」

 阪神・山崎憲晴2軍打撃コーチからDeNA・藤田一也育成野手コーチを通じ、牧に自主トレ参加を志願。快諾してくれた先輩と、14日から22日までの9日間、濃密な時を送る。

 「技術面の上達はもちろん、トレーニングや体の使い方など、自分の身のためになるように継続して、いい方向に向いていくようにやる。(2人に)結果で恩返しできれば」

 牧にはバッティング練習中、生じた疑問を積極的に質問する。食事の取り方やオフの過ごし方など、学ぶことも多い。「(岡本和、牧は)インパクトの強さや体の切れが凄い」と刺激を受ける一方、井上が目指しているのは「岡本和+牧」という単純な図式ではない。そこに自身の考えやスタイルを加味すれば「自分のオリジナルができる」。昨季までとはひと味違う「井上広大」をつくり上げた先に、目標とする「1軍戦力」の座が待っている。

 「1、2カ月(の1軍)じゃなく(2軍に)落ちたとしても、また上がれるような何かを見つけて、すぐ戦力になりたい。1年間を通して戦力になる」

 この日のコーチ会議で、今春のキャンプの1軍スタートも決定した。昨季は岡田監督にキャンプMVPに選ばれながら、13試合出場、打率・229。“つぼみ”の時間はもう終わり。大和が「大使」を務め、おそろいのTシャツ=写真、提供写真=にも描かれるバラのように、今季こそ鮮やかな開花の瞬間を迎える。 (八木 勇磨)

 ▽鹿屋(かのや)市 鹿児島県の大隅半島中央部に位置し、1941年5月に鹿屋町が周辺2村を合併し市制施行。人口は約9万8000人。市が有する「かのやばら園」はバラ園として日本最大級を誇り、市にゆかりがある著名人を「かのやばら大使」に委嘱。主なメンバーは俳優の哀川翔、国生さゆり、DeNA・大和、お笑いタレントのサンシャイン池崎ら。

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