【トライアウト】オリ・吉田凌 まさかの高校先輩と対決 「マジかと思った。胸借りるつもりで腕振った」

[ 2023年11月15日 11:20 ]

<NPBトライアウト>シート打撃で、力投するオリックス・吉田凌(撮影・久冨木 修)
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 プロ野球の12球団合同トライアウトが15日、鎌ケ谷スタジアムで行われ、オリックスを戦力外となった吉田凌投手(26)が全体2番目に登板した。

 1人目の打者は同じオリックスの釣。2人目は東海大相模の先輩でDeNA・田中俊。3人目は中日・伊藤康。釣は外角への鋭いスライダーで見逃し三振を奪い、続く田中も空振り三振に仕留める圧巻の投球。最後の伊藤には2ボール2ストライクから内角への渾身の直球。惜しくもボールとなったが納得の表情。結果は四球だった。

 登板後は「まずまずだった」とホッとした表情。「両サイドを広く使うのがピッチングスタイル。(2者連続三振を奪い)最高の結果だったと思います」と笑顔も見せた。

 高校の先輩・田中俊太との対決では「表を見て、マジかと思った…」と苦笑。「先輩なので。どうしようかなと思ったけれど、精いっぱい腕振って。胸借りるつもりで。結果的に良かった。始まる前に挨拶して、当てないように頑張りますって言いましたので。僕自身も理想としている投球ができた」と振り返った。

 日本シリーズ初日に戦力外通告を受けた。2年前はマウンドの上にいた舞台。今年は「ほんとに一ファンとして、食事しながら見ていた。純粋に関西ダービーだったので盛り上がったし、楽しみながら。変なプレッシャーもないし、毎試合接戦も多かったので」と客観的に見ていたという。

 「2軍では年間通して投げれたし、成績も出せたけれど…1軍は球の速い、落ちる球を持ってる投手がいる。そこで150キロ常時投げられるわけじゃないので、台頭していくのはきつさがあった。状態よければまっすぐスライダー生きてくるけど、終盤になると球質とかキレが落ちて来る。改めて痛感した。周りの投手がすごすぎるのがしんどかった」とハイレベルな投手陣を実感した様子。

 それでも武器のスライダーにこだわりを見せた。「それでプロになれたし、そこは譲れない所があった。インコースを使えました。しっかり投げれたと思います」と胸を張った。

 吉田は15年ドラフト5位でオリックスに入団。主に中継ぎとして通算83試合に登板して4勝5敗、17ホールド、防御率3・70をマーク。今季は19試合登板で4ホールド、防御率3・24だった。

 今年のトライアウトには投手41人、野手18人が参加。過去1414人が参加し、77人が新たなチャンスを手にした。内訳は投手36人、内野手22人、捕手6人、外野手13人で“合格率”はわずか5%。スタンドには各球団のスカウト陣が集結し、日本ハム・稲葉GMも練習から熱視線を送った。

 シート打撃のルールは、投手1人が打者3人に対し、ボールカウントは1-1から投球する。同じ投手の登板時、アウトカウント・ランナーは加算。審判は2人制で行われる。

 元西武の多和田真三郎投手が2年ぶりに参加するほか、広島・薮田和樹投手、オリックス・吉田凌投手、楽天・高田萌生投手、引地秀一郎投手、ヤクルト・吉田大喜投手、成田翔投手、ソフトバンク・高橋純平投手、阪神・高山俊外野手、DeNA・田中俊太内野手、田中健二朗投手、ロッテ・福田秀平外野手、西川僚祐外野手、中日・伊藤康祐外野手、日本ハム・井口和朋投手、立野和明投手、姫野優也投手、元ヤクルト・中山翔太外野手、元広島・山口翔投手、元日本ハム・高山優希投手らが参加。

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