ソフトバンク・小久保監督「主力のわがままを許さない」 レンジャーズの名将ボウチー流で再建だ

[ 2023年11月8日 06:00 ]

ソフトバンク・王球団会長(右)と小久保監督(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクの小久保裕紀監督(52)が7日、大リーグ・レンジャーズをワールドチャンピオンに導いた名将ブルース・ボウチー監督(68)の選手管理術に言及し、主力の特例を認めない方針を示した。レ軍のマイナーでコーチを務めた倉野信次1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーター(49)から知見を伝え聞き、同じ方向性を持って戦うことの重要性を再確認。世界一マネジメントでチームを再建する。

 6日夜、小久保監督は倉野コーチと約1年ぶりに再会し、新任の牧田3軍投手コーチを交えて食事した。レンジャーズ傘下マイナーリーグの投手育成コーチを務めた倉野コーチから「今年テキサスが勝った中で何をしたかという話」を聞き、チームが進むべき道を確信した。

 「監督代わったでしょ、テキサス。老後のスローライフを楽しもうとしてた人(ボウチー)が戻って来た。そこに理由がある。厳しいということ。主力のわがままを許さないというところからスタートしたから変わった」

 レンジャーズは21年に102敗してア・リーグ西地区最下位(5位)に沈み、昨季も4位と低迷。弱小チームを劇的に変えたのが就任1年目のボウチー監督だった。倉野コーチは「監督が変わるだけでこんなにチームって変わるんだなと凄く感じた。みんなを同じ方向へ向かせたリーダーシップは凄かった」と話した。具体的な例として「主力30億円の選手が8回に8―1の大量リードの場面で1死一塁でセカンドゴロを全力疾走してセーフになった」ことを挙げ、「当たり前のことを当たり前にきっちりやるっていうところ。全力疾走は絶対するし、ピッチャーであればベースカバー、バックアップも絶対にやる」と説明した。

 「凡事徹底」は小久保監督が今季まで2年間の2軍監督でチームに浸透させたことでもあり、今季は1~4軍で徹底させる。年俸数億円のスター選手だろうが、育成選手だろうが例外はない。指揮官は「(レ軍は)マイナー組織を含めて目指すところが一緒。われわれも4軍まであるので、関わるスタッフも含めて同じところを目指すことが一番大切。自分ファーストはいらないです」と語気を強めた。

 「昔気質」と言われるかもしれないが、強いチーム、勝てる組織をつくり上げるためには関係ない。緻密なデータを活用した戦術が求められるようになっているメジャーリーグで、68歳の名将がもたらした変化は再建のモデルになりえる。 (森 寛一)

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