侍・朗希 メキシコ戦で「全米デビュー」 鬼門の準決勝「ゼロを並べたい」

[ 2023年3月21日 05:05 ]

WBC準決勝   日本―メキシコ ( マイアミ )

キャッチボールをする佐々木朗。後方は吉田(撮影・光山 貴大)
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 USAコールが鳴り響いた、ローンデポ・パーク。準決勝の米国―キューバ戦の熱狂を伝える米国のテレビ中継では「ROKI SASAKI」の名前が何度も実況された。野球の本場でも高まる注目度。佐々木朗が準決勝のメキシコ戦で「全米デビュー」し、メジャーリーガーに挑む。

 「勝つために自分が最高のパフォーマンスを発揮したい。凄く身が引き締まる思い。勝たないと明日がない」

 米国の準決勝前に行われた、同球場での全体練習。マウンドの感触と傾斜を確認し、決戦へのイメージを膨らませた。シーズン中のルーティンを崩し、2日連続でブルペン入り。前日の練習はマイアミ市内の大学施設だったため「投げたことない球場。ブルペンで少しでも本番に近い感触を確かめる目的だった」と準備を尽くした。

 「令和の怪物」に現地報道も過熱してきた。11日のチェコ戦は3回2/3を投げ2安打1失点だったが、ほとんどがメジャー経験がない相手だった。ベールを脱ぐ日本が誇る若き右腕。大リーグ公式サイトは特集記事を掲載し「大谷レベルの天才。メジャーでの次の大物になるかもしれない」と報じるなど、メジャー30球団の関係者、ファンが熱視線を送る。

 過去2大会連続で涙をのんだ鬼門の準決勝。先発を明言し、21歳の右腕に三度目の正直を託す栗山監督は「世界中のファンに楽しんでもらいたい」と言った。大谷、ダルビッシュからメジャーの「生情報」を得たという右腕。会見では地元記者からメジャー移籍への質問も浴びたが「まずはしっかり日本でプレーした中で、その先に見えてくるのかな。現役のメジャーリーガーと一緒にプレーできていることが何よりも凄く良い経験」と冷静だった。
 準々決勝を生観戦したメキシコには「非常にスイングが鋭くて一発もある打線。球数を気にするよりもゼロを並べたい」。朗希よ。さあ、世界を驚かせ。(神田 佑)

 ▽佐々木朗の前回登板 12年前に東日本大震災が起きた3月11日のチェコ戦に先発。直球は最速164キロをマークし、3回2/3を2安打1失点(自責0)、毎回の8三振を奪った。WBCの日本選手では史上最年少での勝利投手となり「今日、このマウンドに立てたことを感謝しました」。

 【侍ジャパンのWBC準決勝】

 ☆06年第1回大会 韓国と大会3度目の対戦。0―0で迎えた7回に不振だった福留が代打2ランし、一挙5得点。上原が7回3安打無失点の好投で6―0で勝利。

 ☆09年第2回大会 米国戦に先発した松坂が、先頭打者本塁打を許すも5回途中2失点。打線は4回に岩村らの適時打で5点を奪い逆転。9―4で決勝進出を決めた。

 ☆13年第3回大会 プエルトリコに1―3で敗戦。8回に井端の適時打で1点を返したが、なお1死一、二塁で重盗失敗。強肩捕手のY・モリーナ相手に一塁走者の内川だけがスタートし、挟まれてアウトになった。

 ☆17年第4回大会 米国に1―2で惜敗。先発の菅野が6回1失点(自責0)。6回に菊池が同点ソロも、8回の守りで1死二、三塁からの三ゴロを松田がはじき、決勝点を奪われた。

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2023年3月21日のニュース