【スポニチスカウト部(7)】慶大・広瀬 オレ流スイング貫き先輩由伸超え「春秋通算10発打ちたい」

[ 2023年3月21日 05:05 ]

本塁打のリーグ記録更新を狙う慶大・広瀬
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 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第7回は慶大の主砲・広瀬隆太内野手(3年)。東京六大学野球リーグ現役最多、13本塁打の長距離砲だ。この一年はリーグ記録(23本)更新も視野に入れ、夢のプロ入りを目指す。 ドラフト速報

 プロ入りを目指す勝負の一年、広瀬は力強く誓った。「春、秋で通算10本打ちたい」。ここまで神宮で描いたアーチは13本。宣言通りに10本塁打をマークすれば肩を並べることになるのが、慶大の先輩・高橋由伸が持つリーグ最多記録だ。

 東京六大学リーグで現役最多本塁打も、広瀬にとって本塁打は「あくまでもヒットの延長」。大リーグで主流となった打球に角度をつける「フライボール革命」はプロだけでなく、学生野球でも取り入れる選手が多くなってきた。だが「アッパー気味の振りは自分には合わない。自分はレベルスイングを追求している」と分析する。

 参考にしているのが史上最多となる3度の3冠王を獲得した落合博満の打撃フォーム。YouTubeで昔の打撃フォームを見て研究しているといい「ボールに対してのバットの入れ方が本当にうまい。大打者なので参考にできることは多くある」と語る。

 強打者ならではの課題にも取り組んでいる。昨年からしつこく攻められるようになったのが内角。当初は強引に打ちにいってしまい結果が出ないこともあったが、「無理に打ちにいかず我慢することも大切だと分かった」と広瀬。内角はファウルにしながら甘く入ってきた球を確実に捉えるため、この冬はミート力アップを目標に掲げ、逆方向を意識するなどコースに逆らわない打撃練習を繰り返してきた。

 プロ入りだけでなく「主将として4番として、チームを勝利に、日本一に導く打撃をしたい」と最後の一年に懸ける思いは強い。全てをかなえ、堂々とプロの世界へ飛び込んでみせる。 (村井 樹)

 ≪正吾と幼稚舎から仲良し…“相棒”は清原モデル≫広瀬の活躍を昨年から支えているのが、巨人や西武などで活躍した清原和博のモデルのバット。1学年後輩で清原氏の長男・正吾(2年)に借りた際の感触が良く、それ以降は同じモデルのバットをオーダーメード。長さ85センチ、重さ900グラムで以前使用していたものより太いが、広瀬は「直感的に振りやすかった。替えたからか分からないが、結果も出ている」とした。実際に昨年だけで7本塁打を放っており、今年も清原バットでの本塁打量産に期待。慶応幼稚舎時代からの付き合いでプライベートでも仲の良い正吾も「打席でのオーラは凄い。詰まってでも(スタンドに)持っていけるのが広瀬さんの持ち味。今年も打ってほしい」と話した。

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