ソフトB・佐藤直 脱力で4年目の逆襲 19年ドラ1 虫垂摘出手術乗り越え飛躍誓う

[ 2023年3月21日 06:30 ]

ウエスタン・リーグの開幕戦となった17日の中日戦に8番・中堅で出場したソフトバンク・佐藤直
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 毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けしている「筑後鷹」の第20回は19年ドラフト1位の佐藤直樹外野手(24)に注目した。春季キャンプはA組(1軍)予定だったが、1月に鏡視下腹腔(ふくくう)鏡虫垂摘出術を受けた影響で筑後市のファーム施設で送った。すでに実戦に復帰しており4年目の飛躍を狙う。

 逆襲のゴングが鳴った。佐藤直は今月2日にリハビリ組を卒業すると、鹿児島で行われた大学、社会人、独立リーグのチームも参加する「おいどんカップ」で実戦復帰。「焦らずにしっかりアピールしたい」と出番を待っている。

 19年のドラフト1位で今年でプロ4年目。春季キャンプは宮崎でのA組スタートが決まっていたが、虫垂摘出手術のため無念の離脱。「悔しい思いはあったんですけど、なってしまったのはしゃあないので。ケガとかではないので。シーズン中に出んかっただけ、まだ良かったかな」と関西弁で心境を語る。2月7日から筑後でリハビリを開始。歩くことから始めて、少しずつ強度を上げてきた。

 プロ3年目だった昨年は開幕1軍入りを果たし、自己最多の48試合に出場。打率は1割台だったが、プロ初安打に加え8月には日本ハムの上沢からプロ初ホームランをマークした。「ホームランはたまたま。ヒットも数えるほどしか打てなかった」と口にする一方で「後半はちょっと1軍にも慣れてきて打席での感覚も違うものだった」と手応えもつかんだシーズンだった。

 今年のテーマは“脱力”だ。打席で力むことを解消するため、今宮の助言を参考に秋季キャンプから脱力スイングに取り組んでいる。「コンパクトに体に染みつくように」ととにかく振り込んだ。

 精神面でも脱力する。「去年の最初は“絶対にレギュラーを獲る”とガチガチで空回りしちゃったので。後半はリラックスした感じでできた。そういう形でできれば」と自らにプレッシャーをかけすぎず伸び伸びプレーすることを意識する。

 筑後での練習を見つめた大道3軍打撃コーチは「足と守備はレギュラークラス。体調さえ戻れば1軍でできる選手」と評した。育成選手や新人が多い筑後でキャンプを送ったことで、大きな効果もあった。「3軍の若い選手のいい刺激、いいお手本になってくれています。このバッターでも1軍では打てないということは、3軍の選手はもっとやらないといけないよね、ということ」と若鷹たちの手本になったようだ。

 「1軍にしっかり定着して、1軍の戦力で少しでも優勝に貢献できるように。何でもいいので」と佐藤直。激化している外野争いをさらに熱くするべく、状態を上げていく。(杉浦 友樹)

 ◇佐藤 直樹(さとう・なおき)1998年(平10)9月3日生まれ、兵庫県出身の24歳。報徳学園からJR西日本に進み19年ドラフト1位で入団。通算3年で73試合に出場し、打率.100、1本塁打、2打点。1メートル77、88キロ。右投げ右打ち。

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