阪神・大山 4番固定構想に“一発回答”今年初フリー打撃で豪快6連発含む柵越え8本

[ 2023年1月30日 05:15 ]

フリー打撃を行う大山(撮影・大森 寛明)
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 阪神の沖縄合同自主トレが29日、キャンプ地の宜野座村野球場でスタートした。既に今季の4番が内定している大山悠輔内野手(28)が初の屋外フリー打撃で41スイングし、圧巻の6連発を含む計8本の柵越えを放った。前日28日に岡田彰布監督(65)が明かした「4番固定」の方針に、豪快な“一発回答”だ。

 一人だけ打球の質が違う。沖縄の青空へと舞う白球。失速することなく、次々とフェンスを越える。キャンプイン前で、ファンの不在が惜しいと思わせる豪快な6連発。23年の“初打ち”ながら貫禄漂う41スイングにも、大山の表情は硬い。

 「まだ始まったばかりなので、状態(の良さ)は考えていない。今年、外でフリー打撃をしたのが初めてだったので、球の見え方とか、そういうところを確認できて良かった」

 前日28日、テレビ番組で岡田監督が今季の4番に大山を固定する方針を明かしたばかりだ。その打撃もさることながら、練習に取り組む姿勢や態度、意気込みなど、プレー以外でチームにもたらす好影響が買われた。大山は「自分のことをしっかりやらないと、後輩の見本にはならない」。早速、有言実行。ベースランニング、内野ノックでも軽快な動きを見せ、フリー打撃では自分の出番を終えると、一塁ベンチ前へ移動し、ひたすらショートダッシュを繰り返した。ほんのわずかな空き時間も無駄にすることはない。

 「(キャンプの)1カ月をやっていく中でのレベルアップもそうだが、1年間戦い抜く体の強さや柔軟性は、1年間通して考えていかないといけない」

 まもなく訪れる2月1日。新鮮な気持ちで臨むかと思いきや、大山は「毎年不安しかない」と言った。「不安はずっと消えることはない。でもそういう不安も大事だと思う。不安を少しでも減らしていけるように準備する」。緊張感がなくなれば、自身の成長も止まる。今季、結果を出せるか、チームは勝てるか。「恐れ」にも似た感情と必死に戦う背番号3。自主トレの柵越え本数に、一喜一憂している場合ではない。

 「大事なのはそこ(柵越え本数)じゃない。しっかり何本捉えることができたかが大事。(周囲に)惑わされないようにしたい」

 143試合、どっしりと4番に座り“アレ”を成し遂げる。そのとき初めて、大山は心から笑い、喜べる。(八木 勇磨)

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2023年1月30日のニュース