広島・九里 米で1カ月「ドライブライン・ベースボール」でアップデート 「僕自身、すごく楽しみ」

[ 2023年1月30日 05:00 ]

マツダスタジアムで強めのキャッチボールをする広島・九里
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 広島の九里亜蓮投手(31)が29日、マツダスタジアムで選手会の合同自主トレに合流した。昨年末から1カ月間、米国アリゾナ州の最先端トレーニング施設で「強く、速く」をイメージし、投球フォーム改造に着手。完成度は「50~60%」で、2月1日のキャンプイン後も習熟に努める。アップデートされ、新・九里亜蓮誕生へ。「僕自身、すごく楽しみ」と意気込む。 

 昨年末12月28日に米国アリゾナ州へ出発し、広島には前日28日に帰ってきたばかり。初めての訪問体験。世界の最新機器を用いて選手を指導、育成する「ドライブライン・ベースボール」での1カ月間で、九里は数多くの収穫を得たという。

 「意識する箇所が変わったという話じゃない。いろいろなことを学んで新しい発見があったし、考え方から全てが変わった。行って良かったと思う」

 現地では投球フォームのアップデートに取り組んだ。人の動作をデジタルデータに記録する技術「モーションキャプチャ」を駆使。関節などにマーカーを付けて位置と動きを3次元で測定し、体の使い方を学びながらより良い形を模索した。

 「言葉にするのは難しいけど、捻転差の少なさや下半身の使い方とか、欠点は数多くあった。そこを修正することで球にしっかり力が伝わるという感じ」

 より強く、より速く…をイメージしたフォーム改造。約30項目にのぼる計測数値では変化球の回転軸なども示され、合格点をもらったという。併せて「真っすぐに近い変化球は投げる必要ない」ことも確認。春の実戦で取捨を判断する意向だ。

 「現状は50~60%。違和感というか今までやっていない投げ方なのでまだ変な感じがある。イメージには全然ほど遠い。キャンプ中もトレーニングを継続し、無意識にできるレベルにまでしっかりやっていけたら」

 キャンプでは例年、球数を投げて調整していた。今春は一変。米国スタッフから示される1カ月のプランに沿って、ブルペン外でフォーム習熟に励み「ブルペンで投げる時は球数は多くないけど、全ての球を全力で投げる感じに」と言う。

 「体の使い方をしっかり覚えて筋力も上げていけば、球速は上がるという話なので、僕自身、すごく楽しみ」

 変化を恐れない、より高みを目指すチャレンジ。アップデートされた新生・九里亜蓮の奮投が楽しみだ。

 ▽ドライブライン・ベースボール 米シアトル、アリゾナにあるトレーニング施設でトレーナーや医師、動作分析の専門家などさまざまな分野のプロが常駐。科学的で安全な指導が受けられると評判を呼び、現役選手やドラフトを目指す大学生などが利用している。施設特注のプライオボールは異なる重さの6種類があり、効果的に使い分けることでパフォーマンス向上が図れ、ダルビッシュ有、大谷翔平、藤浪晋太郎らも導入している。

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2023年1月30日のニュース