阪神・井上 「脳内革命」で宜野座1号 西武・山川&巨人・坂本からの金言「中堅狙い」で右翼獲りだ

[ 2023年1月30日 05:15 ]

「宜野座1号」の柵越え弾を放つ井上(撮影・大森 寛明)
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 右翼のレギュラー奪取に挑む阪神・井上が今春の“宜野座1号”を放った。2年ぶりに参加した沖縄合同自主トレ。屋外フリー打撃での12スイング目だった。推定飛距離120メートルの一撃を左中間へ。33スイング目には同125メートル弾をバックスクリーンへ運ぶなど、37スイングで4発を放り込み、順調な調整ぶりをアピールした。

 その根底には、昨年12月中旬に巨人・坂本、西武・山川と行った1日限定の合同自主トレ(沖縄・宜野座)で起きた「脳内革命」があった。「中堅へ飛ぶことだけがセンター返しではない。中堅(方向)に打ちにいって、ちょっと引っ張ったら左翼、遅かったら右翼へ飛べばいい」。意識がガラリと変わった。それまでは、中堅方向への意識が強すぎて、右へ流そうとするとバットのヘッドが下がる悪癖があった。

 悩む21歳は両者から「(外野手の)間に打ち返していけばいいんじゃない」とのアドバイスを受けた。昨季、山川は41本塁打、90打点で打撃2冠、坂本は通算2205安打を誇る。説得力十分の言葉に、自分の中での“許容範囲”を広げた。

 「(無理に)引っ張った打球を打つんじゃなくて“引っ張れた”打球を増やせれば」

 センターに真っすぐ打球を飛ばす意識はそのままに、ミートのタイミングが少し早ければ「引っ張れた」になり、遅ければ「流せた」になる。結果こそ同じでも、思考回路が異なる。一気に肩の力が抜けて、迎えた1月。巨人・岡本和との合同自主トレでも、たっぷりエキスを吸収。球界屈指の右の両スラッガーと、巨人の巧打者から学んだ極意を胸に秘め、右翼争いを勝ち抜く覚悟でいる。

 「(温暖な沖縄で)体が動くからといって、あまりはしゃいで無理しないように」

 球春到来へ、いよいよカウントダウンに入った。若き和製大砲のバットが宜野座を沸かせる日は近い。(八木 勇磨)

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2023年1月30日のニュース