年俸大幅アップの阪神・渡辺 妻の流産経験、第2子誕生予定明かし「今度こそ安心して産んでもらえるよう」

[ 2022年11月26日 05:15 ]

契約更改を終え笑顔で報道陣の質問に答える渡辺雄大(撮影・大森 寛明)
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 阪神の渡辺雄大投手(31)が25日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、450万円から1150万円の大幅増をつかみ、1600万円でサインした。

 苦労人らしく、金額の多寡よりも来季もプレーできる喜びを口にした。

 「来年、野球ができるだけでとてもありがたい気持ちなので、納得してサインをした」

 大幅増を勝ち取れたのは、自己最多32試合に登板したことが大きい。左横手から左打者に強さを発揮。3冠王のヤクルト村上には、1本塁打こそ打たれたものの、5度の対戦で3三振を奪った。

 「村上選手に対して逃げずに投げられたのが、今シーズンで一番の自信になった」

 前所属のソフトバンクでもスタートは育成契約だった。30歳の昨季限りで戦力外。阪神へ移籍してきた今季は開幕前に支配下登録されると、プロ初星を含む3勝を挙げ、苦労が少し報われた。

 会見では、来年1月に第2子が誕生することも明かした。この報告に至るまでには、張り裂けそうな胸の痛みを、夫婦で乗り越えなければならなかった。

 「阪神に決まって引っ越しの時も妊娠はしていたけど、(ソフトバンクを)戦力外になって少し不安をかけたこともあって、流産をしてしまって」

 将来への不安や新しい生活環境が、妻の負担になっていたのかもしれない。新しい命を再び授かり、「今度こそ安心して産んでもらえるような状態にしないとダメだという気持ちがあった」という思いが、躍進の原動力になった。来季の目標は50試合登板。“パパ・なべじい”は家族のためにマウンドに上がる。(倉世古 洋平)

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2022年11月26日のニュース