ヤクルト・村上、野手では王以来の満票MVP 来年WBC「頑張りたい」サッカーに負けない活躍誓う

[ 2022年11月26日 05:30 ]

最優秀選手賞に輝いたヤクルト・村上(左)とオリックス・山本(撮影・光山 貴大)
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 プロ野球の年間表彰式「NPB AWARDS 2022 supported by リポビタンD」が25日、都内で開かれ、最優秀選手(MVP)はセ・リーグがヤクルトの村上宗隆内野手(22)、パ・リーグがオリックスの山本由伸投手(24)が、ともに2年連続で受賞。日本選手最多の56本塁打を放って史上最年少で3冠王にも輝いた村上は野手では77年の巨人・王貞治以来、45年ぶりとなる満票(299票)での受賞となった。

 3年ぶりにファンが招待された表彰式。主役はやはり、この男だった。スーツをビシッと決めた村上が何度も壇上に上がる。本塁打王、首位打者、正力松太郎賞の特別賞…。最後にMVPとして名前を呼ばれ「素直にうれしい。いろいろな方の支えがあったからこそ。周りの皆さんに感謝したい」と笑った。

 球団初となる2年連続2度目のMVPとなったが、驚くべきはその投票結果だ。全299票を集めての選出。近年では13年に無傷の24連勝を達成した楽天・田中将がいるが、野手は77年の王貞治以来45年ぶりだ。ハンク・アーロンが持つ当時の大リーグ記録の755本を上回る「世界記録」の756号を放った大打者以来の快挙に「投票していただいた記者の方に感謝したい」と頭を下げる。その王を超える日本選手最多の56本塁打を放ち、史上最年少22歳で3冠王に輝く圧倒的な成績が、改めて評価された。

 2日前の歴史的勝利にも刺激を受けた。サッカーW杯で日本代表が1次リーグで強豪のドイツに逆転勝ち。森保ジャパンの雄姿に「日本中のたくさんの方が期待して応援する中でプレーする難しさを僕は感じたことがあるので、すごく尊敬しています」と心を打たれた。昨夏の東京五輪では金メダル獲得に貢献。日の丸を背負う重圧を知っているからこそ、その勝利が持つ特別な意味を理解できる。

 サッカーW杯に相当する来年3月のWBCでは4番での活躍が期待され「皆さんが注目してくれる大会。期待に応えられるように頑張りたい」と約束する。世界の強豪との激闘後にはリーグ3連覇を狙うシーズンも控える。「自分自身、まだまだできると思って、来年もしっかり(MVPを)獲れるように頑張りたい」。あくなき向上心が、村上を突き動かす。(青森 正宣)

 ≪22歳シーズンは最年少≫村上(ヤ)が満票でMVPに輝いた。MVPの満票受賞は13年田中将(楽)以来7人目、9度目。野手およびセでは77年王貞治(巨)以来45年ぶりだ。また、今季が22歳シーズンとなっており、59年杉浦忠(南海)の24歳を抜く最年少の満票MVPになった。なお、村上のMVP投票数299票、得票1495点は、昨年自身が獲得した287票、1472点を抜く史上最多。

 ≪2年連続両リーグ同一選手は2度目≫村上、山本(オ)がともに2年連続MVP。2年以上連続でのMVP受賞は76~78年山田久志(阪急)、94~96年イチロー(オ)の3年連続を筆頭にプロ野球10人で13度。村上は球団初で、山本は前記2人に次ぎ球団3人目となった。また、2年連続で両リーグのMVPが同じなのは76、77年の王貞治(巨)、山田久志以来45年ぶり2度目。

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