阪神、近本の華麗なるリスタート本塁打で大勝 前夜に連続安打ストップも「3番らしくやろうと思っていた」

[ 2022年7月9日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神8―0ヤクルト ( 2022年7月8日    神宮 )

<ヤ・神>6回、近本が2ランを放つ(投手・高梨)(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は8日、ヤクルト戦に8―0で大勝し、連敗を阻止した。近本光司外野手(27)が6回に待望の今季1号2ランを記録。7日の広島戦では連続試合安打が30試合でストップしたばかり。豪快な一撃でド派手な再スタートを切った。

 前夜までとは別人の姿をみせた。記録更新が途絶えてから一夜明けて迎えた一戦。その6回だ。1死一塁からの第3打席。1ボールから高梨が投じた高めの直球を近本が右翼席に運んだ。今季368打席目で待望の1号2ラン。この夜も打の主役だった。

 「前までは記録のこともあった。バッティングスタイルとかそういうのを意識していた。記録も終わって、やっと3番らしくやろうと思っていた」

 2リーグ制以降で30試合連続安打を記録した高橋慶彦ら7人の打者で、再スタートの試合で本塁打を放ったのは近本が初めてだった。7日の広島戦は4打数無安打に終わり連続試合安打は球団記録に並ぶ30試合でストップ。「明日から新しい自分に挑戦できる。楽しみです」。試合後には新たな挑戦へ向けた“予告”をしていた。

 実は連続安打の継続期間中は安打への意識が強かった。実際に打席では打つポイントを体寄りに近くして、中堅から逆方向への打球を意識。しかし重圧から解き放たれたこの夜は違った。「3番・近本」だ。ポイントを前に置き、以前よりも強く振りきり、長打もイメージして臨んだ。

 「狙いだったり、タイミングだったり、バットの出し方はホームランを打つという感じじゃなかったけど、今日からは(長打も)イメージしていた。(引っ張っていこう)と思った」

 試合前時点で外野に運んだ今季89安打のうち、右方向が33安打だったのに対し、中堅から左翼方向には56安打の記録が残っている。いかに中堅から左方向を意識していたかがわかる。実は矢野監督も変身を期待していた。

 「ベンチで(本塁打)ゼロやぞ。“ここらへんで打たへんかな”と言っていたらボカンと打ってくれた」

 まさかの“予言的中”に指揮官も最高の笑顔だった。昨年10月19日のヤクルト戦以来の一発。新たな姿を見せた背番号5が、新しい扉を開いた。(長谷川 凡記)

 <ストップ次戦本塁打は“初”>近本(神)が今季1号2ラン。シーズン83試合目の1号は新人の19年11試合を大幅に上回る遅さとなった。前日7日の広島戦は無安打で連続試合安打記録が30でストップ。2リーグ制以降、連続試合安打30以上の7人のうち、記録がストップした次戦で安打は15年の秋山(西)以来4人目で本塁打は初めて。“仕切り直し”の連続試合安打は71年長池徳二(阪急)の3試合が最長。近本はどこまで伸ばすか。

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2022年7月9日のニュース