ソフトB松田 三塁譲らん! リチャードらと勝負「年食った者はダメというわけではない」単独インタビュー

[ 2022年2月15日 05:30 ]

声を出し守備練習する松田(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクの春季宮崎キャンプは14日、3度目の休日だった。きょう15日からの第4クールは実戦中心のメニューで競争がさらに厳しくなる。野手最年長の松田宣浩内野手(38)は新型コロナウイルス感染で出遅れたが、10日からA組に合流し、12日の紅白戦では実戦初安打を放った。若手と激しく三塁のレギュラーを争う17年目ベテランの今に迫った。(聞き手・井上 満夫)

 ――12日の紅白戦で3打席目に甲斐野から右前打した。現在の打撃の感触は?
 「筑後でも、宮崎でも1回も打席に立っていなかったので球を見るより、振って飛ばそうと思っていた。筑後では構えからあまり良くなく、9日の休日に昔の型にした。今はシンプルにバットを出す感じで、球との距離がとれて練習から凄い打球が飛ぶ」

 ――手応えあり?
 「近年の春キャンプの打撃のイメージは悪いが(今年は)フリー打撃の感じがいい。特に、当たったときの感触は近年にない感覚。そこは自信を持っていいと思う」

 ――1月の自主トレ中に新型コロナウイルスに感染。療養中はどんな生活だった?
 「24時間のうち23時間半はベッドの上だった。(ホテルの)部屋はシングルで椅子とテレビ台だけ。トレーナーさんから“腹筋とスクワットをして”と言われたけど、荷物のスペースでおしまい。なので洗顔、シャワー、食事以外はずっとベッド上にいた」

 ――どうやって気力を保った?
 「お相撲観戦です。お客さんの少ない若手の幕下や十両、品のある土俵入りをする幕内の取組までテレビでずっと見ました。“相撲の時間やー!”言うて。若手力士が関取を目指すのを野球と照らし合わせた。千秋楽後はめちゃめちゃ相撲ロスでした」

 ――野球の方ではリチャード、井上、野村勇らとガチンコ勝負。
 「ユニホームを着ているうちは勝負。特に誰がライバルとかはない。世代交代とか言われているけど、年を食った者はダメというわけではない。仕事の準備をするだけ」

 ――昨季は出場機会が減って、チームも優勝を逃した。年俸も3億円減の1億5000万円(推定)と下がった中で今季に期する思いは?
 「これまでチームの一つのピースとして何回も優勝してきた。去年勝てなかったから、そういうことを取り上げられるので反省もしないと。これまでケガせず、やってきた自信は芯として持っている。そういう部分の戦いですよね」

 ――ところで14日はバレンタインデーだった。甘い思い出は。
 「プロに入ってから甘かったですよ。(若手の頃は)本多コーチとレギュラーを獲るのとチョコをもらうのを競争して、本多コーチが(段ボールで)11箱、僕が10箱の人気でした」

 ――17年目で人気も元気も健在だが、今季の個人目標は?
 「体は痛いとこもかゆいとこもない。気持ちが心を動かしてくれている。“やったろか”というバリバリの気持ちはあります。まずは20本塁打。もう一回やれるんだとの設定が20本だと思う。確実に打ちたいです」

 ――V奪回を狙うチームとしての目標は?
 「ホークスは勝たないといけないチーム。昨年は悔しい思いをしたし、藤本さんを優勝監督にするのが一番上にある。藤本監督を男にしたいし、仕事をしたい。勝ちたい集団じゃないと勝てない。意識の高いチームでやりたい。勝つチームとはそうなので」

 ◇松田 宣浩(まつだ・のぶひろ)1983年(昭58)5月17日生まれ、滋賀県草津市出身の38歳。中京時代は高校通算60本塁打も甲子園出場なし。亜大では1年春からレギュラーで通算19本塁打。2005年大学、社会人ドラフト希望枠でソフトバンク入団。昨季まで16年間で1867試合に出場し、1811安打(通算打率・266)、301本塁打、984打点。ベストナイン1度、ゴールデングラブ賞8度。13、17年WBC日本代表。1メートル80、86キロ。右投げ右打ち。

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