阪神・大山 意地と執念のサヨナラ打!4打席凡退後の5打席目「いい意味で割り切れた」

[ 2021年7月13日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4ー3DeNA ( 2021年7月12日    甲子園 )

<神・D(13)>9回2死一、三塁、サヨナラ打を放ち、手荒い祝福を受ける大山(撮影・坂田 高浩)
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 最後の最後に歓喜が待っていた。ウオーターシャワーの中心で拳を突き上げた阪神・大山の笑顔が、すべてを物語る。これまでの“ため息”を一瞬にして大歓声に変え、4番の意地と執念をみせた。

 「(9回は)打った選手だけじゃなくて、ベンチにいる選手もチーム全員で取った得点ですし、そういった場面で回ってきたので、いい意味で割り切れた。大事なとこで打ててないって分かっていたので、なんとか最後、本当に大事なとこで打ててよかった」

 同点に追いついた直後の9回2死一、三塁だ。チャンステーマとメガホンの音がこだまし、球場中の視線は大山だけに注がれていた。その期待に応えるように、三嶋の初球スライダーを強振。「打つしかないと思っていた」と強い気持ちも白球に乗せ、中前へとはじき返した。

 4打席凡退した中で迎えた打席だった。0―1の3回2死一、二塁では右飛。8回無死一塁でも、山崎の直球に投ゴロ併殺に倒れた。4番として、ふがいない打撃は、自身が一番分かっている。悔しさを胸に秘め、前だけを向いた結果が最高の形となって表れた。

 「うまくいかなくて、モヤモヤした気持ちもあったんですけど、いい意味で割り切れましたし、とにかくどんな結果であっても前を向いてやっていこうと決めていたので、最後の打席はいいイメージを持って入るだけでした」

 6月29日ヤクルト戦から6番に降格。7月6日からのヤクルト3連戦では、7番にまで打順を下げた。5番を1試合挟んで10日の巨人戦から4番に戻ったが、打線は2試合でわずか1得点しか挙げられず連敗。主将としても、これ以上チームを失速させるわけにはいかなかった。勝利打点は巨人・岡本和の11に次ぎ、リーグ2位の10。勝利に導く術を、背番号3は知っている。(長谷川 凡記)

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2021年7月13日のニュース