大谷「リアル二刀流」で特大弾 初登板は5回途中アクシデント降板 走者と交錯 GMは「翔平は大丈夫」

[ 2021年4月5日 13:35 ]

ア・リーグ   エンゼルス7ー4ホワイトソックス ( 2021年4月4日    アナハイム )

走者のアブレイユ(左)と交錯して転倒する大谷
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 エンゼルスの大谷翔平投手(26)は4日(日本時間5日)、本拠地アナハイムでのホワイトソックス戦に「2番・投手」で先発出場。投手として今季初登板し、投打同時出場の「リアル二刀流」を本格始動させた。打っては先制本塁打するなど2打数1安打、投げては4回2/3を3失点で、1050日ぶりの勝利投手目前で降板し、勝敗はつかなかった。チームは同点の9回にウォルシュが左中間に2号3ランを放ち7―4でサヨナラ勝ちした。

 大谷は、今年のキャンプでリアル二刀流は2試合経験しているが、公式戦ではメジャー移籍後、初。打っては、初回にホ軍の先発右腕・シーズの初球直球を完ぺきにとらえて右中間に飛距離137メートルの2号本塁打。先発投手が7番より前の打順で本塁打したのは、1933年にベーブ・ルースが3番で打って以来88年ぶり。エンゼルスの投手の本塁打は、1972年のフライド・ライトが放って以来49年ぶり。2回2死一塁からの第2打席は中直、4回2死一、三塁からの第3打席は遊ゴロだった。

 投げては、最速162キロの直球とスライダー、スプリットなどの変化球で2回まで無安打無失点。3回に初安打を許したが得点は許さず、4回も無失点。しかし、3点リードの5回に2死満塁から4番・モンカダに暴投し1失点。なおも二、三塁でモンカダを空振り三振に仕留めたが、振り逃げの間に2者が生還し同点。 この時に本塁ベースカバーに入った際に、走者のスライディングで足をすくわれ転倒し、降板した。勝利投手の権利を得るまであと1人と迫っていた。

 球団によると、ペリー・ミナシアンGMは「翔平は大丈夫です。ただ、一般的な痛みがあり、翌日に再検査します。彼はケガを理由に降板したのではない」と説明しているという。

 公式戦で「2番・投手」で先発して他の守備位置に就かないのは、球団によると、1903年のジャック・ダンリービー(カージナルス)以来118年ぶり。1973年にDH制が採用されたアメリカン・リーグの試合でエンゼルスの投手が投打同時出場するのは初めて。過去45年でア・リーグの投手が投打同時出場したのは2009年5月17日にタンパベイ・レイズのアンディ・ソナンステインがたったひとり果たしている。

 大谷は18年10月に右ひじ手術を受け、19年は打者に専念。昨年7月26日(同27日)のアスレチックス戦で2季ぶりに投手復帰したが、投手復帰2戦目となった同8月2日(同3日)のアストロズで右前腕部を痛め、その後は再び、打者に専念した。この日は245日ぶりの公式戦のマウンドで、勝利すれば18年5月20日(同21日)のレイズ戦以来、1050日ぶりの白星だった。

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