野村謙二郎氏　広島・誠也の打球に“らしさ”戻ってきた　劣勢で出る投手にも収穫あり

セ・リーグ   広島1－3DeNA （ 2021年4月4日    横浜 ）

スポーツニッポン評論家の野村謙二郎氏
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　【野村謙二郎　視点】初回に誠也が放った左中間への二塁打は角度さえ付けば、本塁打になるような打球だった。いい感じで力が抜けて振れた。8回も素直に中前へ安打。彼らしい当たりが戻ってきた。

　開幕してから強引に上体で打ちに行く姿が目立ち、詰まったような凡打も多かった。春季キャンプから、いろいろと試行錯誤。どんなフォームで打っても、やはりボールとの距離が取れないとバットのヘッドは走らないし、打ち損じも増える。4番として内角も厳しく攻められる。責任感が強く、自分からボールを迎えに行く形になっていた。

　もちろん、十分な実績があり、いつかは上がって来ると思っていた。その兆しが見えた。チームは上々のスタート。誠也が本来の調子になれば、もっと乗っていける。

　開幕から9試合目で先発が6回まで投げなかったのは初めて。コルニエルの1失点はあったが、劣勢で出る投手が試合を壊さなかったことも、今後につながる収穫と言える。（スポニチ本紙評論家）