西武ドラ1渡部 代理どすこい!球団史上4人目 デビュー戦でプロ1号「打った瞬間、入る手応え」

[ 2021年4月5日 05:30 ]

パ・リーグ   西武4ー2ソフトバンク ( 2021年4月4日    ペイペイD )

<ソ・西>6回、左越え本塁打を放った渡部はTVカメラに向かってどすこいポーズ(撮影・中村 達也)
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 約7秒の長い滞空時間だ。西武のドラフト1位・渡部が放った打球は先輩・中村のような美しい放物線を描き、ペイペイドームの左翼席に吸い込まれた。

 「打った瞬間、入る手応えがありました。メチャメチャうれしい」。1点リードで迎えた6回2死一塁の第3打席。日米通算143勝左腕・和田のカーブを振り抜いた。前の2打席は3球三振。それでも6球中5球を振る積極的な姿勢を見せ「もう何でも振ってやろうという気持ちだった」と回想する。1号2ラン。ベンチ前では同期の若林に促され、故障離脱中の主砲・山川の代名詞「どすこいポーズ」を繰り出して喜びを爆発させた。

 デビュー戦本塁打は球団史上4人目の快挙。清原和博ら黄金時代を彩った名選手に肩を並べた。山川、栗山、外崎の故障者続出による緊急昇格では、偉大な先輩たちの力を借りた。使用したバットは前日届いたばかりで従来よりも20グラム重くした中村モデル。試合で初めて使用したが「中村さんにバットを頂いてずっと練習していたので違和感はなかった」と感謝。2軍のキャンプで一緒に過ごす時間が長かった山川からは「俺も1年目はあまり打てなかった。しっかり振っていけよ」と声を掛けられ、デビュー弾につなげた。5連勝。敵地でソフトバンクに3連戦3連勝は17年ぶりで、辻監督も「福岡で3タテなんて夢の夢」と破顔一笑だ。

 4月4日は「獅子の日」。00年以降5度のリーグ優勝時は試合のなかった02年を除いて全て勝っている。立役者が巨漢ルーキーだ。入寮時に118キロあった体重は3キロ減の115キロ。「体脂肪が減って筋肉量が増えました」と胸を張った自称「よくばり君」が、プロとして第一歩を踏み出した。(花里 雄太)

 ≪球団史上4人目の快挙 デビュー戦本塁打≫ドラフト1位の渡部(西)がデビュー3打席目で初本塁打。パの新人でデビュー戦本塁打をマークしたのは昨年の大下(オ)に次いで20人目。西武では81年の石毛宏典(プリンスホテル=3打席目)、86年の清原和博(PL学園=2打席目)、90年の佐伯秀喜(国学院久我山=初打席)以来31年ぶり4人目。球団のシーズン新人本塁打記録はプロ野球記録でもある前記清原の31本。渡部はどこまで数字を伸ばすか。

 ◆渡部 健人(わたなべ・けんと)1998年(平10)12月26日生まれ、神奈川県出身の22歳。横浜商大高では1年夏からレギュラーも右足のケガの影響で同年冬に日本ウェルネスに転校。3年春から4番に座り、高校通算25本塁打。桐蔭横浜大では1年春から神奈川大学リーグ戦に出場し、4年秋にリーグタイ記録の1シーズン8本塁打。1メートル76、115キロ。右投げ右打ち。

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