オリックス・宮城の19歳とは思えぬ老練さ 重圧、雨、初の敵地、初回…危機さえ歓迎して早川に完勝

[ 2021年4月5日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス4-0楽天 ( 2021年4月4日    楽天生命パーク )

<楽・オ3>8回2死、辰己の打球を指差す宮城(撮影・尾崎 有希)
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 注目左腕同士による新人王バトル第1ラウンドは、オリックスの19歳が完勝だ。宮城が8回を2安打無失点で開幕2連勝を飾り、早川に投げ勝った。

 「選手の人たちから“きょうは勝てよ”と言われました。あまり(早川を)意識せず、投げることができました。最後まで投げたかったですが、“足場が悪い中では球数以上に疲労する”と言われ仕方ないと思いました」

 宮城で「宮城」が勝った。初めての敵地。降りしきる雨で、ぬかるんだマウンド。悪条件が重なっても関係ない。危機さえ、歓迎した。「ピンチになるほど緊張が、ほぐれました」。振り返ったのは初回、味方失策が絡んで1死一、二塁で浅村を迎えた場面。1―1からの3球目、内角139キロ直球で三ゴロ併殺に仕留め、波に乗った。140キロ台中盤の直球でコースを突き、90キロ台と100キロ台の2種類のカーブで緩急を駆使。5~8回は4イニング連続3者凡退と完璧な内容で、中嶋監督からも「悪条件の中で非常に良い投球」と賛辞を引き出した。

 前回登板は、前身の阪急だった57年の米田哲也以来、64年ぶりの球団10代投手の開幕カード先発勝利。そこからの2連勝は人間機関車と呼ばれ歴代2位の通算350勝腕も成し得なかった。高卒2年目までに開幕から2戦2勝は78年三浦広之以来で、先発に限れば2リーグ制以降では球団史上初の快挙だった。

 「今日の感じでミスを少なくしていけば抑えることもできたり、自分が有利なポジションに立つことができる」。19歳左腕が、強烈な上昇曲線を描いている。(湯澤 涼)

 《高卒2年目までに先発で開幕2戦2勝球団初》宮城(オ)が自己最長の8回を無失点で2勝目。オリックスで高卒2年目までに開幕2戦2勝は、78年に新人の三浦広之が4戦4勝して以来だが、三浦の2勝目は救援勝利。先発で2戦2勝は2リーグ制以降では宮城が初めてだ。

 《吉田正が決勝2ラン 早川にプロの洗礼》宮城を強力援護したのは、頼れる主砲だった。吉田正が決勝2号2ランを放った。「しっかりと良いスイングができましたし、先制点を取ることができて良かったです」。0―0の3回2死二塁で早川の内角高め142キロ直球を右翼席へ放り込んだ。開幕戦の3月26日の西武戦以来の一発で、早川に初失点を付ける“プロの洗礼”を浴びせた。

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