東海大相模・門馬、父・敬治監督の期待に応える“父子鷹弾”で4強入り立役者!同校では原貢・辰徳以来

[ 2021年3月30日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第9日第2試合 準々決勝   東海大相模8-0福岡大大濠 ( 2021年3月29日    甲子園 )

<福岡大大濠・東海大相模>2回、東海大相模・門馬は左越えに2点本塁打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 準々決勝4試合が行われ、東海大相模(神奈川)は福岡大大濠を8―0で下して3年ぶりの4強に進出した。門馬敬治監督(51)の次男・功外野手(3年)が2ラン本塁打を含む3安打。今大会初の2桁14安打を記録した打線を、1番打者としてけん引した。中京大中京(愛知)は畔柳亨丞(くろやなぎ・きょうすけ)投手(3年)が東海大菅生(東京)を2安打完封し、24年ぶりの4強入りを果たした。

 慣れ親しんだ甲子園に、アーチをかけた。2―0で迎えた2回1死二塁。門馬は甘い直球を捉えた。「打った瞬間、角度が良い感じで上がったので入ったかなと」。ライナーで左翼席へ。公式戦初本塁打となる2ランだ。

 母の七美枝さん(52)と姉・花さん(19)はアルプス席で歓喜。父・敬治監督は「感情はなく一選手の打ったホームラン」と指揮官の顔を貫きながらも、強く手を叩いた。門馬が「(高校時代で)初めて」という父とのグータッチを交わし「マスクをしていたので(監督の)表情は分からなかったが、素直にうれしかった」と表情を緩めた。

 父が率いるチームでの息子の一発。東海大相模では75年春の原貢監督、辰徳以来だ。大塚瑠晏(るあん)主将が急性胃腸炎のため急きょベンチを外れ、副主将の門馬が主将代行を務めた。大役にも「一人一人がちょっとずつカバーしていく」と臨み、3安打2打点、2得点で引っ張った。

 生まれた時、父は既に同校の監督だった。学校の敷地内にある家で育ち、甲子園出場時はチーム宿舎に泊まって応援に訪れた。15年夏の優勝時のエース・小笠原慎之介(現中日)には特に可愛がられたという。OBの兄・大(ひろ)は甲子園出場を逃したものの現在、東海大4年で野球部主将。花さんはマネジャーだった。七美枝さんは愛息の活躍に「ここがどういう場所か考えると…感無量です」と涙を流した。

 門馬は「チームとして(投打の)バランスが取れている」と手応え。父は、準決勝に向け「何とかしがみついて戦いを挑んでいきたい」と語った。親子で目指す夢。11年以来10年ぶりの春制覇へ、あと2勝だ。(柳内 遼平)

 ◆門馬 功(もんま・こう)2003年(平15)10月4日生まれ、神奈川県出身の17歳。小1から野球を始め、東林中では相模原ベースボールクラブに所属。東海大相模では1年秋からベンチ入り。趣味は箱根駅伝を見ること。好きな言葉は「一日一生」。1メートル72、77キロ。右投げ右打ち。

 《10年夏には聖光学院・斎藤が記録》父が監督を務めるチームで息子が甲子園で本塁打を放った例は、東海大相模の原貢監督と辰徳親子の他、10年夏には聖光学院(福島)の斎藤智也監督の次男・英哉が記録した。履正社(大阪)との3回戦の8回、同点の場面で決勝の右越え2ラン。斎藤監督は「息子としても、一部員としても泣きたいぐらいうれしい」と喜んだ。

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2021年3月30日のニュース