仙台育英・島貫主将 宣誓通り「感謝」「感動」「希望」体現

[ 2021年3月30日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第9日第1試合 準々決勝   仙台育英3―10天理 ( 2021年3月29日    甲子園 )

<天理・仙台育英>3回、同点の中犠飛を放つ仙台育英・島貫(撮影・北條 貴史)
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 【お帰り!春球児】頂点を目指した戦いは、終わった。それでも、仙台育英の島貫丞主将はすがすがしい表情だった。「自分たちがやろうとしたことができなかったのが敗因。チームとして力負け」と敗戦を受け止めた。

 「2年分の甲子園」。開会式では選手宣誓役を務め、昨年の大会に出場できなかった先輩たちの思いを背負うことを誓った。3分を超える「第一声」で、2年ぶりのセンバツが開幕。アルプス席から声援をくれた1学年上の先輩に、最後まで諦めない姿勢を示した。

 実は中学時代にも、選手宣誓をしたことがあった。母・いづみさんは「あの子は震災があったときから野球ノートに震災から何日、と書いていて(中学の宣誓でも)震災から何日、というふうに言っていた。10年だから特別ではなく、ずっと今日は何日目と考えてきた」と回想する。

 福島県出身。10年前の震災時は避難生活を強いられた。さまざまな形で支援されたことは決して忘れない。だからこそ、今年の宣誓文には「感謝」「感動」「希望」の言葉を入れた。この日は無安打だったが、甲子園では3本のヒットを打った。「人生を変えてくれる場所。かけがえのない思い出になる」と3試合を振り返ると、続けた。「東北の代表として優勝したかった。夏に向けてしっかりやりたい」。日本一を目指すチームのまとめ役に、下を向いている暇はない。(川島 毅洋)

 ◆島貫 丞(しまぬき・じょう)2003年(平15)5月18日生まれ、福島県出身の17歳。小1から野球を始め、秀光中では軟式野球部に所属し3年時に全国大会準優勝。仙台育英では2年秋からベンチ入り。趣味は掃除。将来の夢は野球の指導者。1メートル70、73キロ。左投げ左打ち。

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2021年3月30日のニュース