楽天 マー君に“メジャー復帰手形”1年限定復帰プラン 石井監督兼GMがラブコール

[ 2021年1月19日 05:30 ]

ヤンキース退団が濃厚の田中
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 ヤンキースからフリーエージェント(FA)となり退団が濃厚な田中将大投手(32)に楽天への1年限定復帰プランが18日、浮上した。楽天の石井一久監督兼ゼネラルマネジャー(GM)が改めてラブコールを送り、22年シーズンに再びメジャーに戻ることも可能な1年契約も検討することを示唆。在籍7年間で99勝を挙げ、13年には球団初の日本一に導いた大エースの復帰に向け、受け入れ態勢を整える。

 最大の敬意を払い、レジェンドを迎え入れる。楽天・石井監督兼GMは、田中の現状に配慮して慎重に言葉を選びつつ、はっきりと熱意を口にした。

 「もし選択が日本ということになれば、帰ってきてほしいと言わない理由がない。ぜひとも仙台、東北でプレーしていただきたい」
 米メディアはこの日、改めて田中のヤ軍残留が絶望的と報道。地元放送局「SNY」は田中が、年俸1500万~2000万ドル(約15億6000万~約20億8000万円)の単年契約を求めているとし「ヤンキースは田中を慰留できない」と報じた。実績ある右腕にはパドレスなどが興味を示しているものの、コロナ下でFA市場の動きは遅く、今季の開催もいまだ不透明な状況。また、米国は日本以上に感染拡大が深刻で、家族や生活面のリスクも大きい。

 石井監督兼GMは「まずは米国の状況がどうなるのか分からない。そこは彼の気持ちを尊重して、リスペクトして、いろんなことを考えてあげないといけない」と、田中が今季は日本でプレーし、来季以降、再びメジャーを目指すことも想定。「そこら辺は柔軟に対応したい。楽天でそれだけの功績を残してキャリアを積み重ねてきた選手。まずはそこの部分(意思)を大事にしたい」と1年契約の可能性も示した。

 古巣のアドバンテージは計り知れない。13年オフのメジャー移籍後も、楽天は田中に対し球団施設を自主トレ場所として提供。球団事務所を訪れるたびに球団職員と記念撮影が行われるなど、深い付き合いが続く。07年から7年間背負った背番号18も、準永久欠番として空いたままだ。

 東日本大震災から10年の節目となる21年。「日本でプレーすることになるのであれば、うちが一番にコンタクトをとるべき球団。しっかりコンタクトをとらせてもらおうとは思っている」と石井監督兼GM。田中の決断を尊重し、エースの帰還に備える。

 ▽メジャー移籍後に直接、古巣復帰した主な日本人選手 近年では18年に巨人・上原がメジャー4球団を経て10年ぶりに復帰、ヤクルト・青木も7球団に所属した後、7年ぶりに復帰した。ソフトバンクでは17年に川崎が6年ぶり、16年に和田が5年ぶりの復帰。15年は広島・黒田が8年ぶりに復帰した。楽天では07年まで3年間所属し、守護神などをつとめた福盛が08年にレンジャーズに移籍した後、翌09年6月に復帰している。 

 【楽天時代のマー君伝説】
 ☆マー君、神の子、不思議な子 プロ1年目の07年8月3日のソフトバンク戦。4回まで2被弾など精彩を欠く中、0―5から打線が爆発し逆転勝ち。田中は6回5失点も、自身2度目の2桁奪三振で当時の球団最多に並ぶシーズン9勝目。「マー君、神の子、不思議な子。何点取られるか投げ続けさせようと思ったら、天から神様が降りてきた」と野村監督(当時)。
 ☆田中の8球 優勝マジック2で迎えた13年9月26日の西武戦。絶対エースを胴上げ投手にという星野監督の計らいで4―3の9回に救援登板。1死二、三塁のピンチも、3番・栗山を3球連続で見逃し三振。4番・浅村もオール直球の5球、最後は153キロで空振り三振に仕留めた。
 ☆シーズン無敗 13年はシーズン24連勝の24勝0敗1セーブ。前年からは28連勝、ポストシーズンを含め30連勝など、数々の連勝のプロ野球記録を樹立。最多勝、最優秀防御率、勝率1位に輝いた。規定投球回に達しての勝率10割投手は史上4人目もシーズン無敗の最多勝は初の快挙。沢村賞、ベストナイン、MVPも満場一致での獲得。

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