阪神・近本、満点デビュー！初安打が同点適時三塁打　好送球でメッセ救った

セ・リーグ   阪神2―1ヤクルト （ 2019年3月29日    京セラD ）

初回1死一、二塁、山田哲の打球をさばいた近本は、本塁打に好返球で二塁走者の生還を阻む（撮影・大森　寛明）
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　近本が満点デビューだ。29日の開幕ヤクルト戦で0―1の6回、2死から失策で出塁した木浪を一塁に置いて、初球の128キロチェンジアップを右中間へ適時三塁打。プロ初安打が同点打となり、京セラドームに近本コールが沸き起こった。

　「点につながるような打撃がしたいと思っていた。結果もそうですけど、やりたいことができたのでよかった。特に緊張とはかはなかったです」

　ドラフト制以降、阪神の新人選手が開幕戦で打点を挙げるのは初めての快挙だ。延長11回1死三塁ではサヨナラの暴投も誘った。スタンドには両親も訪れ、初安打のボールを「両親にあげます」と手渡す予定だ。

　初回は守備でも魅せた。無死一、二塁で山田哲の中前打を本塁へ好返球。ワンバウンド送球で二塁走者の坂口を補殺し、3連打を食らっていたメッセンジャーの立ち上がりを救ってみせた。

　地元・淡路島にも恩返しを果たした。昨年末帰省した際には東浦中学時代の監督だった巽史明さん（45＝現・津名中学社会科教論）のもとを訪れ、同校の野球部員から歓迎を受けた。その席で「挫折もあると思うが、くじけずに立ち上がって野球を続けてほしい」と同校の部員らに激励の言葉を送った。同氏も「負けず嫌いで頑固だけど、芯を持っている。よくやってくれましたね」と喜んだ。

　野球に一途な姿勢はプロでも変わらない。今春キャンプ中は筒井外野守備走塁コーチのもと、練習に取り組んできた。同コーチも「毎日課題を一つ持って練習に取り組んでいる。それもしっかりクリアにして次の日も課題をつぶしてやっている」と感心した。

　開幕スタメンが内定し、祝福メッセージを送った友人にすら「そういうところ（開幕スタメン）を狙っていない」とその先を見据えるほど、自分にも厳しい。常に高い向上心と探究心を持って―。

　「阪神で野球ができているのがすごいなと感じた」

　夢のような時間は近本にとってはじめの一歩に過ぎない。勝利に貢献するべく、歩みを進める。（長谷川　凡記）