札幌大谷 背番号「1」西原1安打もマウンド立てず「悔いを晴らすために戻ってくる」

[ 2019年3月30日 05:30 ]

第91回選抜高校野球大会第7日 2回戦   札幌大谷1-2明豊 ( 2019年3月29日    甲子園 )

試合に敗れ、甲子園の砂を持ち帰る札幌大谷・西原 (撮影・後藤 大輝)  
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 昨秋の明治神宮大会王者で、春夏通じて初出場の札幌大谷は明豊(大分)に1―2で惜敗し、ベスト8を逃した。背番号1の西原健太(3年)は大会前の右肩炎症の影響で1回戦(対米子東)に続いて登板回避。「5番・一塁」で出場し、3打数1安打で勝利には結びつかなかった。今大会登板できなかった悔しさを胸に、西原は夏の雪辱を誓った。

 近くて遠い甲子園のマウンドだった。登板がないままに“春”が終演。背番号1を背負う西原には秘めた思いがこみ上げてきた。

 「悔いを残してしまったので、夏に戻ってくる気持ちが強くなった。(今大会で)投げたいという思いは強かった」。腰に張りを抱えたまま16日の南部(和歌山)との練習試合に登板し、右肩に炎症が起きた。幸い軽症だったが、投げられないストレスが募った。

 初戦に続いて「5番・一塁」で出場。2回に左前にチーム初安打を放ったが、4回1死満塁の先制機は右飛に倒れた。浅い飛球で犠飛にならず「1球で仕留められなかったのは自分の力不足」。直後に先制されると、ブルペンに走った。「今は投げられる状態。(太田)流星が崩れた時にはいけるようにしていた」。ただ、出番はやってこなかった。

 「彼の今後の野球人生を考えた」。船尾隆広監督(47)はそう説明した。肩を痛めてからトレーナーが付き添い、両親からはLINE(ライン)で「仕方がない。チームのために」と励まされた。多くの支えを実感した甲子園。「明豊の2番手(大畑)や奥川(星稜)との差を感じた。コントロール、切れ、球威全てでレベルアップしたい」。西原の目はもう夏に向いている。

 昨秋の明治神宮大会を制してから4カ月余り。注目される中、西原らチームの挑戦する姿勢は変わらなかった。1回戦で甲子園初勝利。この日も打線は明豊を上回る7安打を放った。「悔いを晴らすために、もうひと回り大きくなって戻ってきます」。西原の言葉は、力強く甲子園の春風に乗っていった。(竹内 敦子)

○…アルプス席には約1000人が集結。1回戦に続いて京都光華をはじめ4校から吹奏学部などの友情応援を受けた。今月札幌大谷を卒業したチアリーディング愛好会1期生の田村玲奈さん(18)は「甲子園は圧倒されるけど、テレビで見ていた所でできるのは楽しい」と最後まで笑顔で応援を続けていた。
 

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