大谷 163キロ先発復帰!38球中11球が160キロ台 

[ 2016年9月8日 05:30 ]

<日・ロ>59日ぶりの先発登板で160キロ台を連発する大谷。剛球がうなりを上げた

パ・リーグ 日本ハム4―4ロッテ

(9月7日 札幌D)
 直球で押す、と決めていた。それこそが日本ハム・大谷にとって最大の武器。逆転優勝のキーマン「投手・大谷」が先発復帰戦で、1球ごとに本拠・札幌ドームのファンをどよめかせた。

 「そこ(直球)がしっかり決まらないといけない。(復帰登板の)入りとしてはそれが良いと思った」。初回2死二塁。4番・デスパイネの初球に161キロを計測すると、5球目には自身が持つ日本記録に並ぶ163キロをマーク。フルカウントからの6球目、161キロを右前適時打されたが、相手主砲に対して6球連続160キロ台をマークする規格外の投球だった。

 2回には変化球も駆使した。先頭打者の細谷を158キロ直球で見逃し三振、続く鈴木はフォークで遊ゴロ、最後は金沢もフォークで空振り三振に斬った。「肩が軽いとかはなかった。思ったよりできた」と涼しい顔だが、全38球のうち160キロ台は11球も計測した。球数制限があるため、この2回限りで降板し2安打1失点。栗山監督も「1点取られたから良かったとは言わないけど、前に進んだ」とした上々の内容だった。

 7月10日のロッテ戦(札幌ドーム)で右手中指をつぶし、緊急降板。早期復帰を目指したが、同時に打線の核として欠かせない存在でもあった。「チームがこういう(優勝を争う)状態。投げられないからイライラすることはなかった。打撃で勝ちに貢献しようと思った」。先発マウンドに帰ってきた大谷をチームメートも援護。初回に同点打を放った近藤は「久々の登板だったので野手みんなで何とかしようという話をしていた」と話した。周囲に支えられた復帰登板でもあった。

 59日ぶりの先発登板は延長12回引き分けに終わったが、負けはしなかった。今後は14日オリックス戦(札幌ドーム)、そして21日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)での先発登板が有力。「次の投球で勝てるように頑張りたい」と大谷。この一戦を、投手として真の姿を見せるためのステップにする。 (柳原 直之)

 ≪大谷経過≫

 ☆7月10日 ロッテ戦(札幌ドーム)に先発し、7回1死一塁で田村に四球を与えたところで、右手中指のマメがめくれ緊急降板。

 ☆同16、17日 投手での球宴出場は辞退し、打者で出場。16日の第1戦(ヤフオクドーム)では本塁打競争で優勝。第2戦(横浜)では球宴初本塁打を放ちMVP獲得。

 ☆同24日 オリックス戦(札幌ドーム)で2―1の6回から救援し、1回1安打無失点。最速156キロも全17球のうちボールが12球。救援登板は新人だった13年以来、3年ぶり。

 ☆8月7、11日 7日にブルペン入りを再開。11日から捕手を座らせて本格的に投球練習を開始。以降は2、3日に1度のペースでブルペン入り。

 ☆9月3日 6日のロッテ戦(旭川)で先発復帰することが決定。雨天中止で7日の同戦(札幌ドーム)にスライド。

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