巨人・田口 桑田以来10勝!高卒3年目以内では球団28年ぶり

[ 2016年9月8日 08:04 ]

<神・巨>田口は汗を飛ばしながら力投する

セ・リーグ 巨人3―2阪神

(9月7日 甲子園)
 「目標」が「通過点」に変わった。巨人ではドラフト制後、初の高卒左腕の2桁勝利。だが、田口は表情を変えずバスに向かった。

 「10勝で浮かれているようではいけない。また0だと思って、一つでも勝利に貢献したい」。6回まで毎回走者を出しながらも粘った。ブルペンは球が荒れ「今年一番悪いくらいバラバラだった」と言うが、ゆったりとしたフォームと投球テンポを意識して修正。7回1失点で、チームトップの10勝に到達した。プロ3年目。21歳シーズンまでに2桁勝利を挙げたのは、球団では87年桑田以来だ。「結果的にそうなったのはいいこと」と喜んだ。

 1年目は1軍登板すらなかった。今年1月末、宮崎キャンプに向かう羽田空港で「(2次キャンプの)沖縄まで行きたい」と話していたが、開幕からローテーションを守り続けている。今季投球回の143イニングは菅野に次ぎチーム2番目。シーズン中では異例の下半身強化練習が生きている。

 砂場でのタイヤ引きに加え、今季途中から転がされたボールをスクワットして手で前にはじき返す練習を取り入れた。50回から練習のたびに回数を増やし、今では90回を5セットで計450回をこなす。顔をゆがめ「苦しい!もう動けない」と倒れ込むほど過酷で「フォームに安定性と粘りが出た」と効果を実感する。試合終盤でも投球後に体が三塁側に流れなくなり、この日は7回に初めて3者凡退に抑えた。

 生え抜きの2桁勝利は菅野以外では13年の内海以来。高橋監督は「自信にしてくれたらいい。期待はもっともっとあるけど、頑張ってくれている」と称えた。「年間通して結果を残したい」。逆襲を期す今後の戦いでも若き左腕が原動力になる。 (神田 佑)

 ≪左腕65年ぶり≫田口(巨)が今季10勝目。14日に21歳を迎えるが、巨人の投手で21歳シーズンまでに2桁勝利を挙げたのは87~89年桑田以来15人目(24度目)。左腕では39、40年中尾、51年松田に次ぎ65年ぶり3人目だ。これで菅野の9勝を抜きチーム最多。開幕から6月までは3勝6敗、防御率3・23と出遅れたが、7月以降は7勝1敗、1・38と見違えるように調子を上げている。

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2016年9月8日のニュース