【東尾修の視点】大谷 バランス良し ソフトB戦へ勇気与える38球

[ 2016年9月8日 08:05 ]

<日・ロ>三振をアピールする大谷
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パ・リーグ 日本ハム4―4ロッテ

(9月7日 札幌D)
 久々の登板となった大谷だが、全体のバランスが非常に良く第1段階としては申し分ない。

 100%の状態に比べ、ステップ幅は半足分程度短いかと思うし左足の踏み込みも力強さはなかった。速球で空振りが取れなかったのは、本塁ベース上で球速表示ほどの球威がなかったから。だが一番駄目なのは力んでバランスを崩すこと。体を柔らかく使えていたし、次回登板で力を入れた時にも心配はない。

 投手出身のOBからすれば、1カ月以上登板が空いた上で、いきなり優勝を争う試合でのぶっつけ登板は考えられない。だが、中継ぎでは決まった試合時間にマウンドに立つ先発調整はできないし、1軍を離れての2軍の登板では「打者・大谷」起用までに無用な疲労も重なる。試合に敗れれば批判も浴びるが、栗山監督はリスクを承知の上で決断したはずだ。

 あと1度、50~60球投げれば、十分に21、22日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に間に合う。そして、1カ月後のクライマックスシリーズの短期決戦では「投手・大谷」が欠かせなくなる。先を見据えた上でも、チームに勇気を与える38球だった。
(スポニチ本紙評論家)

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