子供のころは金本ファン 広島・薮田 地元Vへつないだ3勝目

[ 2016年9月8日 05:30 ]

<広・中>6回無失点で3勝目を挙げた薮田

セ・リーグ 広島5―0中日

(9月7日 マツダ)
 広島・薮田は最後の力を振り絞った。6回2死一、二塁で迎えた堂上との対決。先月28日のナゴヤドームでは救援登板した6回に満塁弾を浴びて黒星を付けられた相手だった。

 「前回は取りにいったカットボールを打たれた。絶対真っすぐで抑えてやろうと思った」

 3点優勢。また被弾すれば、追いつかれる局面で強気に攻めた。空振りさせた初球は最速151キロ。2球目も149キロをストライクを取り、最後も150キロで再び空振りを奪った。全3球の力勝負。110球で堂々と投げ抜き、8日の地元胴上げへ可能性をつないだ。

 「地元での優勝が懸かっている中で、しっかり投げられて良かった。何としても自力で(マジックを)減らしたかった」

 8月31日のDeNA戦(マツダ)では首痛で試合直前に先発登板を回避した福井の代役として急きょ登板。6回無失点で2勝目を挙げた。アクシデントではなく、今回は自らの力でつかんだ好機だった。真価を問われる先発マウンドで再び6回無失点の力投。立て続けに3勝目をつかんだ。

 緒方監督にも「今日は薮田でしょう。最高の結果だった。序盤はカーブが決まらず苦しいピッチングだったけど、適当に荒れていたのがよかったのかな」と褒められた。

 広島市生まれで生粋の鯉党。幼少期には金本知憲(現阪神監督)の大ファンだった。小学生時代には2人兄弟の兄・佑樹さんと一緒に赤いカープ帽をかぶって旧広島市民球場に幾度となく足を運んだ。「優勝してほしいというよりは、僕が見に行った試合に勝ってくれればいいと思っていました」。1992年生まれの24歳。25年前の優勝を知らない世代が、新時代の赤ヘルをゴールへまた一歩前進させた。「勝利に貢献できてよかった」。務めは果たした。8日は頼もしい先輩たちに託し、運命の瞬間に備える。 (柳澤 元紀)

 ▼広島・今村(7回に2番手で登板。無死二塁を背負いながらも無失点)内容は日によって違うけど、運頼みでも抑えていければいい。ジャクソンと中崎が勝ち試合でずっと頑張ってきた。(8日は)点差が開いても、そういう形を見せられればいい。僕はいままで通りの仕事をやるだけなので。

続きを表示

2016年9月8日のニュース