金本監督 ソフ投にまさかのお願い 一線級の球見せて

[ 2016年3月2日 10:27 ]

阪神の金本監督

 一線級のボールに学べ! 阪神の金本知憲監督(47)が3日と、4日に行われるオープン戦のソフトバンク2連戦(いずれもヤフオクドーム)で、若手野手が相手投手陣にねじ伏せられることに期待した。「(若手野手が)力の無さというものを自覚するため」。主力投手のボールを見ることで、井の中の若虎たちに大海を知ってほしいという親心だ。

 若手中心のオーダーで臨む3、4日のソフトバンク戦。相手は目下、2年連続で日本一のディフェンディング・チャンピオンだ。絶好のアピール機会を前に、普通の指揮官なら、若虎の躍動に期待するコメントを発するに違いない。だが、金本監督はひと味違う。その口からは、思わぬ言葉が飛び出した。

 「(ソフトバンク戦では)若い選手はもうね、期待はしているけど、打ってほしいけど、逆に1軍のエース級とか、そういうボールを見せたい。見せたいというか、(相手に)いい投球をしてほしい。『てめえら、これが本物だぞ』というね」

 相手先発は3日が13年に中継ぎとして51試合に登板し、現在は先発要員の千賀。そして4日は今季も5年連続で開幕投手を務めることが決定的な摂津が予想される。摂津はもちろん千賀も、1軍主力級のボールを持つ本格派右腕。若虎に現時点での力量を知ってもらうには、格好の強敵と言える。もちろん打ち崩すことができれば言うこと無し。だが、それよりも指揮官は、若虎がこの2人に抑えられることを期待している。相手投手の好投を望む指揮官―。あべこべなようだが、狙いがある。

 「対応してくれたら、願ったりかなったり。そこで自信も付けてほしいし。その気持ち半分、ソフトバンクの投手にウチの打線をねじ伏せてほしいね。自分たちの力の無さというものを、自覚するためにね」

 沖縄・宜野座キャンプ史上最多となる4本塁打を放った陽川、実戦で結果を残し続けた横田、ランニング本塁打を放ったドラフト1位ルーキーの高山…。キャンプでは結果を残したが、まだ1軍主力級の投手相手に実績を残したわけではない。そのボールを知らないと言った方が適切かもしれない。だから、出来る限りいいボールを投げてほしい。レベルの違いを体感できれば、1軍主力打者と自分たちとの「差」を測ることができる。そしてそれが、さらなる成長につながる。打つだけでなく、凡退から学ぶことも多い―。指揮官は、それを若虎に望んでいた。 (惟任 貴信)

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2016年3月2日のニュース