阪神 ゴメス 走った!フルスイング内野安打2本、打球内野越さず

[ 2014年3月19日 05:30 ]

<ヤ・神>4回、遊撃内野安打を放ち、一塁に駆け込むゴメス(右)。左は畠山

練習試合 阪神4―10ヤクルト

(3月18日 神宮)
 阪神の新外国人マウロ・ゴメス内野手(29)が18日、ヤクルトとの練習試合(神宮、無観客試合)で1軍デビューした。「4番・一塁」で先発し、内野安打2本の3打数2安打。痛めていた右膝裏の完治を証明する激走で、一塁を駆け抜けた。ようやく開幕モードに入った新4番候補。内野の頭を越える打球は見られなかったものの、足で稼いだ内野安打同様、“超高速”仕上げで、3月28日の巨人戦(東京ドーム)に照準を合わせていく。

 球団発表104キロの巨体でも軽快に一塁を駆け抜けた。調整の遅れていた新4番候補のゴメスが、初打席から2打席連続内野安打の“珍デビュー”を果たした。持ち前のパワーを披露する場面はなかったものの、約1カ月遅れとなった1軍の舞台で、右膝裏痛の不安を完全に払拭した。

 「不安なく走れたよ。さらにトレーニングをして100パーセントの状態までもっていけるようにしたいね」

 意外な幕開けだった。2死一塁で迎えた初回の第1打席。マウンドはドラフト3位のサイド右腕秋吉だ。初球の141キロ直球を見送ると、2球目126キロ真ん中やや外よりのスライダーを強振した。ボテボテに詰まった弱い打球が三塁・川端の前へと転がる間に、全力疾走で悠々と一塁セーフとなった。

 先頭で迎えた4回の第2打席も、カウント2ストライクと追い込まれながら、3球目の低めスライダーを遊撃・西浦の前に。内野安打で口火を切ると、藤井の左前打で三塁から一時同点の生還を果たした。

 「ボールはよく見えた。タイミングがまだ合わないところがあるので、たくさん打席に立って合わせていきたい。自分としては積極的なスタイルなので、早いカウントでも甘いボールがきたらどんどん振っていきたい」

 課題と収獲を挙げた助っ人に、和田監督は「振り込んでバッティングの下半身ができてくると(打球が)上に上がり出す」と現状を評価した。オマリー打撃コーチ補佐も「イイヒット、ナイスラン!」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 試合前は昨季プロ野球新記録となる60本塁打を放ったヤクルト・バレンティン、マートンらを交えて談笑した。6回の第3打席は遊撃ゴロに打ち取られベンチに退いたが、試合終了までベンチの右端に陣取って相手投手の球筋を目に焼き付けるなど、勤勉な一面も見せた。

 新4番候補の打球は1度も内野の頭を越さなかったものの、元気な姿を見せてくれたことが一番の収穫だ。

 「日本にアジャストできるようにやっていきたい」。19日のロッテ戦(QVCマリン)でオープン戦デビュー。同じく「4番・一塁」で3打席に立つ予定だ。今後は残りのオープン戦5試合に加え、25日以降のウエスタンリーグ・中日戦(ナゴヤ)に出場する方針だ。3月28日の開幕戦まで残された時間をフルに活用し“超高速”仕上げで、伝統の一戦に臨む。

 ≪阪神新外国人の1軍対外試合初戦メモ≫

 ★キンケード 04年2月11日・広島戦(宜野座)「3番・三塁」で先発し初回無死一、二塁で推定130メートルの中越え3ラン。第2打席も右翼線へ適時二塁打を放つなど4打数2安打4打点の活躍。

 ★スペンサー 05年2月26日・オリックス戦(安芸)「6番・DH」で2打数1安打。4回第2打席で左翼線にヒットを放つと、左翼手がもたつく間に二塁へ激走。

 ★フォード 08年2月16日・日本ハム戦(宜野座)「5番・右翼」で出場し2打数無安打。第1打席は一度もバットを振らず見逃し三振。4回無死一塁では遊ゴロ併殺打に倒れた。

 ★メンチ 09年2月15日・ヤクルト戦(浦添)「5番・DH」で、4回先頭の第2打席で左翼ポール際へソロ。「思い切り振ることを心がけていたよ」とニッコリ。

 ★マートン 10年2月13日・日本ハム戦(宜野座)「1番・中堅」で見逃し三振、遊ゴロ、右飛とノーヒット。守備では飛球の目測を誤るなど、攻守ともに不安を残した。

 ★コンラッド 13年2月10日・日本ハム戦(名護)「6番・DH」で2打数1安打。2回の初打席に1死一塁から一、二塁間を破る右前打。

※試合は05年スペンサーのみオープン戦、以外は練習試合

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