アジャ井上 本拠1号が「風に負けた」…初の珍事!春一番ノーゲーム

[ 2014年3月19日 05:30 ]

<ロ・楽>試合前、砂ぼこりに顔をしかめるユーキリス

オープン戦 ロッテ3―0楽天(1回裏2死強風ノーゲーム)

(3月18日 QVCマリン)
 QVCマリンに春の嵐が吹き荒れた。18日のオープン戦、ロッテ―楽天戦は、強風のため1回途中でノーゲームとなった。球場のある千葉市では最大瞬間風速24・2メートルを観測。同球場では強風による中止が公式戦では過去に3度あるが、試合途中でノーゲームとなるのはオープン戦を含めて初の珍事だ。

 春の訪れを告げる「春一番」がQVCマリンを混乱に陥れた。定刻通り午後1時に試合は始まったが、1回裏にロッテが3点をリードしてなおも攻撃中に審判団が集まり試合続行について協議。その後、里崎が四球を選び、2死一、二塁となったところで続行は不可能と判断し、同41分にノーゲームが決まった。小林和公球審は「投手の球も抜けて危なかった。打者も立っていられない状態で、野球にならないと判断した」とノーゲームを決めた理由を説明した。

 強風により本塁打と思われた打球が、ことごとく押し戻された。この日、ロッテの4番に座った「幕張のアジャ」ことドラフト5位の井上は、初回1死一、二塁で楽天・辛島の高めの134キロ直球を完璧にとらえた。打球は右翼席に飛び込むかと思いきや、フェンスを直撃する適時二塁打。風で待望の本拠地第1号を逃した井上は「“これはいった。やった!”と思ったら、届かなかった。体重が115キロから4キロ落ちたので、打球が風に負けちゃいましたね」と苦笑い。その後、ハフマンの右中間への大飛球もフェンス手前で失速し、二塁打になった。

 球場周辺には午前中から強風波浪注意報が出ていた。1分間平均の風速を示す球場表示は最大で15メートルを表示していたが、気象庁によると千葉市の最大瞬間風速は、試合中の午後1時27分に24・2メートルを計測。風には慣れているはずのロッテの選手もさすがに驚いた様子で、16年目の里崎は「上空で10数メートルでも、グラウンドレベルでは吹いていないことはよくあるけど、きょうは下も吹いた。立っていられないぐらいの風は初めて」と空を見上げた。

 この日の入場者は約4000人で、チケットは即日払い戻された。オープン戦の平日デーゲームということもあり、営業面の打撃はほとんどなかった。球団関係者は「シーズン中の休日なら大きな痛手になっていた」とホッと胸をなで下ろした。ノーゲーム決定後、野手陣は飛球の捕球練習を行い今後のいい予行演習にはなったものの、春の嵐がとんだ一騒動を巻き起こした。

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