ヤ軍2巡目指名の加藤 イチローと“感激”打撃練習

[ 2013年6月16日 06:00 ]

イチロー(左端)が見つめる中、打撃練習をするヤンキースドラフト2巡目指名の加藤

 ヤンキースからドラフト2巡目、全体66番目で指名を受けたランチョ・バーナード高の加藤豪将内野手(18)が14日(日本時間15日)、アナハイムでのヤンキース戦を訪問。試合前には憧れのイチロー外野手(39)や黒田博樹投手(38)らと対面し、そのまま練習にも参加するという夢のような時間を過ごした。イチローと同組だった打撃練習では、シュアな打撃を披露するなど実力の片りんを見せつけた。

 ヤンキースのロゴが入った練習着をまとい、目の前では憧れのイチローが快音を響かせている。濃密な時間を過ごした加藤の頬は、緩みっぱなしだった。

 「テレビで見ていたプロの選手は、グラウンドで話してみると凄く面白くて、野球が好きというのがよく分かりました。こういう経験ができて本当にうれしかった」

 この日、試合が行われたエンゼルスタジアムは、自宅のあるサンディエゴから車で約1時間半という距離のため、ヤンキース側から招待を受けて訪問が実現した。クラブハウスでは緊張しながらもイチローや黒田にあいさつ。2人から優しい言葉を掛けられ「凄くフレンドリーな感じでした」と感激していた。

 粋なプレゼントとなったのが打撃練習だ。普段なら1組目に入るイチローだが前日の延長18回フル出場が考慮されてこの日は休養日。そのため加藤と同じ最終組(5人)に入り、イチロー、加藤の順に打つことになったのだ。練習前に「イチローさんとは話せる機会がないと思っていた」という18歳だが、意を決して話し掛けると、順番待ちの間に笑顔で会話。「これからも頑張って、いつか一緒にプレーをしようと言ってくれました」と目を輝かせた。

 フリー打撃では米国仕込みのノーステップ打法からイチローとヤ軍のカノを参考にしているというスイングで、センター中心にラインドライブの打球を打ち分けた。「猫のような素早いグラブさばき」という評判の守備では、グラブさばきだけでなく華麗なスナップスローも披露。中南米の選手をほうふつさせる柔らかさだ。

 前日に高校を卒業した加藤は、今後17日(日本時間18日)にマイナー施設のあるタンパ入り。身体検査を経て来週にも正式契約を交わし、マイナーに合流する。「イチローさんはアメリカでも日本でも凄い。スピード、フィールディング、バッティング・アベレージで生きている。自分もそういう打者になりたい」。米国でドラフト指名を受けた初の日本人メジャーリーガーへ向け、貴重な一日を過ごした。

 ≪有望選手へは“恒例”≫大リーグではドラフト上位指名選手が、契約前にチームの練習に参加するケースは珍しくない。球団の雰囲気や施設を見学させるのが目的で、大学進学などで悩む選手たちの気持ちを動かす狙いもある。特に有望な選手には、試合前に名前が入ったロッカーを用意したり、名前入りのユニホームをプレゼントすることも。ヤ軍では11日に1巡目(全体32番目)で指名されたフレズノ州立大のアーロン・ジャッジ選手も練習に参加していた。ドラフトで指名した選手との契約期限は、7月12日東部時間午後5時(日本時間13日午前6時)となっている。

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