ライアン小川 連敗止めた 男気6勝目は自己最多8回129球

[ 2013年6月16日 06:00 ]

<オ・ヤ>8回1失点の力投で6勝目を挙げたヤクルト・小川

交流戦 ヤクルト2-1オリックス

(6月15日 京セラD)
 自己最多の129球目。打者を鋭い目つきでにらみ、汗を振り飛ばして投じた。伊藤をカットボールで二ゴロに打ち取ったヤクルト・小川は、雄叫びを上げ、右手を力強く握りしめた。

 2―0の8回1死満塁から後藤に中犠飛を許して1点差。なおも2死一、二塁のピンチを最少失点で切り抜けた。「(連敗を)何とか止めようと最後まで集中力を持って投げようと思いました。最後までいく強い気持ちだった」。8回1失点でチーム最多の6勝目。セ・リーグの新人完投一番乗りこそ逃したがチームの連敗を5で止めた右腕に、小川監督も「あそこまで投げたので、同点までは任せようと思った」と絶大な信頼を口にした。

 石川、村中、八木と他のローテーション投手はいずれも負けが先行。6勝2敗の小川の安定感は群を抜いている。貪欲な向上心も要因だ。7日に飯田外野守備走塁コーチから、元ヤクルト監督の野村克也氏の「野村ノート」を拝借し、一部を書き留めた。その中には打者有利な状況で相手の狙いをかわす投球術もあった。「まだそこまで頭に入っていない」と笑うが、6回2死一、二塁では打ち気にはやる後藤の裏をかいて変化球で3球三振に打ち取った。

 ヤクルトが近鉄を破って前回日本一に輝いた01年は11歳で「覚えていない」。くしくもその当時の近鉄の復刻版ユニホームを着たオリックスを牛耳った。「一喜一憂しないこと。やるべきことをやっていくだけ」。最下位に低迷するチームの中で、小川には風格すら漂っている。

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2013年6月16日のニュース