大谷 抹消へ 二刀流“負の側面”野手でのケガが投手調整に影響

[ 2013年4月14日 06:00 ]

<オ・日>右足首を痛め、試合中に病院へ向かう日本ハム・大谷。患部にはテーピング

パ・リーグ 日本ハム2-8オリックス

(4月13日 ほっと神戸)
 二刀流ルーキーの日本ハム・大谷翔平投手(18)が、14日にも出場選手登録を抹消され、緊急帰京する可能性が出てきた。13日のオリックス戦で、2回に右前適時打を放ったが、直後の守備中に右足首を負傷。試合途中に神戸市内の病院で精密検査を受けた結果「軽度の内反捻挫」と診断された。症状は軽いとはいえ軸足の負傷のため、今後の登板予定は完全に白紙。投手としての1軍デビューは大幅に遅れることになりそうだ。

 病院での診察後、選手宿舎に戻った大谷は、報道陣を振り切るように足早に自室へ向かった。これまで必ず行ってきた取材対応を初めてしなかったところに、事態の深刻さがうかがえた。

 報告を受けた栗山監督は「あすの状態を見て判断します」とし、試合に出場できるかとの問いかけには「そういうレベルではない」と説明。きょう14日に出場選手登録を抹消される可能性は限りなく高い。指揮官も「そうですね。無理するところではないし。大事に考えないといけない」と否定しなかった。

 二刀流挑戦は故障するリスクと常に背中合わせだが、恐れていた事態がついに起きた。2回の守備。李大浩(イ・デホ)の右翼ファウルゾーンへの飛球を追い、滑り込みながらフェンスに激突。その際に右足首も強くひねったようだ。天然芝のほっと神戸での初めてのプレー。試合前には「ライン際の打球は流れるし伸びる。この球場は難しいっすね」と漏らしていたが、不安が的中した。3回の守備からベンチに退き、試合途中に病院に向かった。病院に付き添った横田チーフトレーナーは「そのプレー中に痛めたのは間違いない。ただ本人はどこでひねったかまでは分からないと言っている」と説明した。

 この日は野手として4試合ぶりにスタメン出場。2回には先制の右前打も放つなど、あらためて非凡な打撃センスを見せた。低めの変化球に対応するため、前日の打撃練習から打席でのスタンスを約2足分広げる新フォームに着手。その効果がさっそく出た直後のアクシデントだった。

 黒木投手コーチは「投手としては大事にしないといけない箇所」と軸足の負傷に表情を曇らせた。投球のメドは立たず、14日のブルペン投球を含めた今後の登板プランは全て白紙にせざるを得ない。野手としても当面の出場は厳しいだけに、14日に緊急帰京して治療に専念することが濃厚だ。

 ▼河北前田病院(東京都杉並区)前田正雄顧問 内反捻挫は足首を内側にひねることで、足関節を構成しているじん帯の内出血が起きる。最も軽い捻挫で日常生活に支障はないが、約2週間はテーピングや装具で固定して安静にするとよいでしょう。右足は投球動作の軸足で今後のフォームに影響を及ぼす可能性もあるので、慎重に治した方が良い。
 
 ▼日本ハム・大塚外野守備走塁コーチ この前(7日のソフトバンク戦)エラーしているのもあったし、早めに行かないとという気持ちはあったと思う。ああいう打球はまずフェンスまでいくしかない。練習不足かなとは思う。

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