菅野 2勝10K!両リーグ最多26K、奪三振王だ

[ 2013年4月14日 06:00 ]

<巨・ヤ>6回無死二塁、石川の送りバントに飛びつき捕球する巨人・菅野

セ・リーグ 巨人3-1ヤクルト

(4月13日 東京D)
 巨人のドラフト1位・菅野智之投手(23)が13日のヤクルト戦で今季2勝目を挙げた。序盤から内外角を丁寧に投げ分け、8回3安打1失点。初の2桁となる10奪三振で、奪三振数は両リーグトップ、奪三振率でもリーグトップに躍り出た。6回には伯父にあたる原辰徳監督(54)譲りの好フィールディングも。新人ながら投手としての完成度の高さを披露した。

 左肩にぬくもりを感じた。勝利のハイタッチで菅野の背後に寄り添ったのは原監督。「だいぶ余裕が出てきたな。また次、頑張れ」。2勝目への祝福と激励に笑顔でうなずいた。

 「前回は打者の方々に助けられたので、きょうは何とか自分の力で貢献しようという思いをぶつけました」

 昨年の本塁打王・バレンティンから奪った見逃し三振がハイライトだった。6回2死一、二塁。直前の川島には死球を与えていた。だが臆することなく初球、この日最速の146キロの直球で内角を突いた。見逃しストライク。その後は一転して4球連続の外角攻め。2球目はカットボールがボール。3、4球目は145キロでファウル、ボール。最後は138キロのカットボールで見逃し三振に仕留めた。「本当はその前のボールで決めたかった。間違いなくきょうイチのボールだった。僕がバッターだったらあそこの残像は残ると思う。その軌道から曲げたら打てないんじゃないかと思った」。4球ともほぼ同じ軌道からストライク、ボールを丁寧に投げ分けた。

 菅野が軸にするのは120キロ台後半のスライダー、130キロ台のカットボール、140キロ台中盤から後半の直球とワンシーム。緩急の差は約20キロしかない。それでも早くも今季2勝目。ヤクルト・池山打撃コーチは「右の内角を投げ切るのが凄い。並大抵のドラ1じゃない。右バッターは苦戦するね」と脱帽した。43・2センチのホームベースの横幅を有効に使い、両サイドを出し入れできる制球力があるから三振を取れる。3試合目で初めての2桁10奪三振。通算26奪三振は両リーグトップ、奪三振率10・17もリーグトップに躍り出た。

 6回無死二塁では、石川のバントの小飛球をスライディングキャッチ。「多少、私のDNAも入っているんじゃないでしょうか」。伯父である原監督は冗談めかしながらフィールディング面も評価した。「次は最後までゼロで行けるように反省を生かしたい」と菅野。その言葉の実現を予感させるには十分な投球だった。

 ▼畠山 人生初の4三振(菅野には3三振)です。直球は力があるしコントロールがいい。内にきっちり投げられました。倍返ししたいです。

 ▼岩村 すべての球種でストライクが取れる。だから向こうに主導権を握られる。特に外国人2人に向かっていく姿勢は感じました。

 ▼雄平 左打者にも内角を突いてきた。外に逃げる球もあるし、外角にコントロールよくきっちり投げてくる。球速を抑えて投げていたけど、そういうふうに投げると切れが出ていた。

 ≪ルーキー4月先発2勝は球団5人目≫ルーキーの菅野(巨)が10三振を奪う力投で2勝目。巨人新人の1試合2桁奪三振は、11年5月23日のオリックス戦で沢村が11個奪って以来10人目となった。また、今季の合計奪三振数も26個となり、摂津(ソ)の25個を抜き両リーグトップに立った。なお、ドラフト制以降、巨人の新人が4月までに2勝以上は

年 投手名 [勝](先、救)

99上 原  2 (2、0)

00高橋尚  3 (3、0)

06福 田  3 (0、3)

07金 刃  3 (3、0)

13菅 野  2 (2、0)

 5人目になるが、先発で2勝以上は07年金刃以来4人目だ。

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2013年4月14日のニュース