単独首位だぜ!キヨシDeNA 開幕連勝「事故に遭遇した感じ」

[ 2013年3月31日 06:00 ]

<中・D>8回途中まで好投し勝利投手の三浦(右)を迎えるDeNA・中畑監督

セ・リーグ DeNA4―2中日

(3月30日 ナゴヤD)
 単独首位だぜ!DeNAは30日、中日を下し、横浜時代の00年以来となる球団13年ぶりの開幕2連勝を飾った。就任2年目の中畑清監督(59)が掲げる機動力野球で序盤にリードを奪うと、先発の三浦大輔投手(39)も7回0/3を2失点と好投した。セ・リーグで開幕2連勝はDeNAだけ。5年連続最下位からCS進出を目標に掲げる中畑ベイスターズが、セの主役に躍り出る。

 喜びを隠しきれなかった。チームにとっては00年以来で、今世紀初の開幕2連勝。ベンチ裏で記録を報道陣から聞いた中畑監督は「本当?凄くうれしい。事故に遭遇したような感じ。勝つというのはみんなが明るく前向きに元気にもなれる」と、しみじみと語った。

 昨季までとは明らかに違う。3回の4点を引き出したのは、7番に固定している俊足の荒波だ。先頭で四球で出塁。定石なら犠打の場面で仕掛けた。カウント2ボール1ストライクから二盗。高城の四球後、三浦の犠打で三進し、中日先発の3年目左腕・大野に足で重圧をかけると、石川の二ゴロが野選を誘い生還した。昨季はリーグ5位の61盗塁。「去年を考えれば…。こういう野球ができるんだな。やっと足を絡める攻撃ができた。ワンチャンスをものにして守りきった」と声を弾ませた。

 監督就任2年目。前日の開幕戦では試合前のミーティングで「年間を通してお願いしたいことがある」と口を開いた。その一つは「自己犠牲の気持ちを常に持って戦ってほしい」。勝ちにこだわる意識をあらためて徹底させた。グラウンド外でも厳しいルールを設けた。昨季はなかった遠征先での門限で、デーゲームは午後11時、ナイターは午前1時。自身にも課しており、開幕前夜の28日は、知人との食事も午後11時前に切り上げた。

 昨季は46勝85敗13分けで5年連続最下位。「4月に4試合連続零封負けしたときは100敗するかと思った」と振り返るが、嫌われ役になって勝利への意識をしつこく言い続けた結果、選手も変わりつつある。昨季から主将に就任した石川は、選手会長の下園とチームの再建策を何度も話し合った。「やっぱりこれだけ負けるのは悔しいし、情けないという気持ちになる。勝ちたいじゃないですか」。率先してナインを会食に誘い「誰でもできることだから」とミスしても下を向かず、ベンチや守備で声を出すよう訴えた。中畑イズムは確実に浸透している。

 31日の中日戦(ナゴヤドーム)に勝てば、東京五輪を開催した64年以来、49年ぶりに敵地で開幕3連勝となる。「こんなに早くそんな話に参加できると思わなかった。せっかくのチャンスだからモノにしたいよ。良い記録はどんどん続けたい。勝ちにこだわりたい」と指揮官。成長した選手たちへの信頼が鋭い眼光に宿っていた。

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2013年3月31日のニュース