菅野 初勝利お預けもさすがの9K 7回1失点デビュー

[ 2013年3月31日 06:00 ]

<巨・広>初回2死一塁、エルドレッドを空振り三振に仕留め、ガッツポーズの巨人・菅野

セ・リーグ 巨人1―1広島

(3月30日 東京D)
 デビュー戦勝利はならなかった。しかし、巨人・菅野は1年間の遠回りが間違いではなかったことを自らの右腕で証明した。7回を5安打1失点。9三振を奪った。「スタートが肝心だと思っていた。完璧ではないですが、それなりにいいスタートは切れたかなと思う」。確かな手応えをつかんだ。

 憧れ続けた巨人の一員として東京ドームの公式戦マウンドに立った。「“やっと”という思いはあったので、こみ上げてくるものがあった」。初球は「サイン通り」の146キロ直球。4回に1点を先制されたが、6回1死一、二塁のピンチではルイス、松山を連続空振り三振に斬った。最速は147キロ。一年間のブランクでスタミナ不足を不安視する声もあったが、100球を超えた7回にも143キロを計測した。

 ただ、打線の援護がなかった。菅野に代打を送った同点の7回。1死一塁から2番・松本哲が犠打で送ったが、続く坂本は三ゴロに倒れた。試合は延長12回ドロー。川口投手総合コーチは「勝たせてあげたかった」と新人右腕をねぎらった。

 巨人入りを希望しながら、一昨年秋のドラフトでは日本ハムが交渉権を獲得した。「ああいうときにふてくされた態度をとったら、それは人としてダメだと思った」。驚きや不安を抱えながら、繰り返される質問に最後まで丁寧に答える菅野の姿があった。背景にあるのが「謙虚に」という言葉だ。両親や原監督に、小さい頃に教わった。原監督のおいとして注目を浴びてきたが、そんなときこそ「謙虚に」という言葉を思い返した。

 紅白、オープン戦と結果を残し、開幕ローテーション入りを手にした。原監督は「自分の力で、きょう登板した。これを糧に次の登板もあるでしょう」と合格点を与えた。「早く勝ちたいですけど、チームが優勝できればいいと思っている」と右腕。活躍を予感させる投球を終えても謙虚な言葉を並べた。

 ▼巨人・川口投手総合コーチ(菅野について)厳しい試合で始まったのはプラスになると思う。あとは勝ち運がついてくれば。

 ▼巨人・阿部(菅野について)前回、左打者の内角がシュート回転していたので一つのテーマにした。何球かあったが、いい球もあったし、その精度を上げればもっと抑えられる。

 ≪51年ぶり5人目≫ルーキーの菅野(巨)が開幕2試合目に初登板初先発し、7回1失点。2リーグ制後、巨人の新人投手で開幕2戦目までに先発したのは59年伊藤(開幕戦)、60年堀本(2戦目)、62年城之内(開幕戦)、同年柴田(2戦目)に次ぎ51年ぶり5人目。うち7回以上を投げたのは唯一、勝利投手となった堀本(9回3失点)と菅野だけ。

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2013年3月31日のニュース