「解放」3安打 内川を立ち直らせた父のメールと妻の言葉

[ 2013年3月31日 12:12 ]

<ソ・楽>5回2死、中前打を放つソフトバンク・内川

パ・リーグ ソフトバンク1―3楽天

(3月30日 ヤフオクD)
 開幕戦はスタメン唯一、無安打だったソフトバンクの内川が、初回1死二塁で中前適時打を放つなど3安打猛打賞。7回を1失点に抑えられ、苦杯を喫したダックワースをただ一人、攻略した。

 「一人、スタメンで(無安打が)残っていたから、そこから解放されたのことは良かった」

 手本のようなセンター返しだった。初回に続き、3回にも2ボール2ストライクと追い込まれるとバットを短く持ち、外角低めのカーブをすくい上げて中前に運んだ。5回にも中前打。「ダックワースに限らず(センター返しは)確率が高いと思う」。3本全て中前へ。手元で動くボールをできる限り引きつけ、逆らわず打ち返すことで芯を外す確率を低くした。

 開幕直前は腰の張りでオープン戦2試合を欠場。コンディションが心配されたが、これでひと安心だ。家族の支えもあった。敗戦したWBC準決勝のプエルトリコ戦で重盗失敗。涙し、責任を背負い込んだ内川に、大分情報科学野球部監督を務める父・一寛さんから「ミスをすれば批判される仕事だ。受け止めないといけない」というメールが届いた。翼夫人からも「4年後は(昨年6月に生まれた)娘が飛行機に乗れる。機会があれば、世界一を見せて」と言われ、前を向けた。

 秋山監督は「内川は状態はずっといいからね」と心配はしていなかった様子。昨年9月に来日初勝利を献上した苦手右腕を攻略できず、開幕2連勝は阻止された。だが、それ以上に背番号1が3度ともした「H」ランプは、灯台のように2年ぶりの日本一を目指すチームの進路を明るく照らした。

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2013年3月31日のニュース