不運よさらば…ヤクルトドラ1 光差してきた!

[ 2010年2月3日 08:50 ]

ヤクルト歴代ドラフト1位と主な指名選手

【ヤクルト担当・丸井 乙生】
 やっと光が差した。ヤクルト・増渕竜義投手(21)が2日、沖縄・浦添キャンプ初日から2日連続でブルペン入りし、高田監督から高評価を受けた。鋭い腕の振りで剛速球を投げ込み、ボールを受けた川本が感嘆の声を上げる64球。見守った高田監督は「力のある球を投げようという意識がいい。彼は、全力で力のある球を投げてからコントロールをというのが本来目指す方向」とうなずいた。
 06年高校生ドラフト1巡目。150キロ右腕は、西武と競合の末にクジ引きで意中のヤクルトに入団する強運を持っていた。しかし、プロ入り後は不運続き。制球難に悩まされてスリークオーターから上手投げに転向したが、思うように結果は出ない。昨春には打球が直撃して左あごを骨折。約3週間の入院で体重は11キロも落ちた。オフ中に一念発起し、初海外となる米アリゾナで自主トレを行った。乗り換えのロサンゼルス空港であごに入ったプレートに金属探知機が反応するハプニングもあったが、滞在中にパワースポットで有名なセドナを訪問。パンツ一丁で小川に飛び込み、体全体でパワーを吸収してきた。
 順調な調整には、運だけでなく根拠もある。自主トレ中に最も力の乗る腕の位置を探った上で、鍛えた下半身を土台にしている。「ブルペンには毎日入ります。投げて完ぺきに体に染みこませたい」。きっと今年は“大吉”の1年になる。

続きを表示

2010年2月3日のニュース