イチロー 復調マルチだ日米通算200号だ

[ 2009年9月14日 06:00 ]

<マリナーズ・レンジャーズ>9回、捕ゴロに倒れるマリナーズのイチロー

 【マリナーズ8―3レンジャーズ】マリナーズのイチロー外野手(35)が12日(日本時間13日)のレンジャーズ戦で、5試合ぶりのマルチ安打となる5打数2安打。初回の右翼線二塁打に続き、3回には今季9号となる日米通算200号アーチを記録した。大リーグ史上初となる9年連続200安打まであと2本。ここ3試合で14打数1安打と湿っていた天才打者のバットに、ようやく快音が戻った。

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 重圧も雑音もまとめて吹き飛ばした。今季198本目の安打は日米通算200号。前人未到の大記録を目前にしたイチローが、前祝いとばかりにもう一つの節目の数字を刻んだ。
 3回先頭の第2打席、カウント1―2から右腕ミルウッドの内角直球を逃さない。待ち構えたかのようにボールのわずか下にバットを入れると、打球はきれいな放物線を描いて右翼席最前列へ飛び込んだ。93年のプロ初本塁打は野茂(当時近鉄)から、99年の100号は松坂(当時西武)から記録したイチローが、プロ通算18年目で200の大台に到達した。
 トンネルからの脱出も一瞬だった。霧が白くかすむ敵地でプレーボール直後の初球を引っ張り、8打席ぶりの安打となる右翼線二塁打。直前のエンゼルス3連戦では徹底した内角攻めに遭い、14打数1安打と抑えられたが、嫌な流れを初回に断ち切った。2安打とも最初のスイングで仕留める本来の打撃スタイルに、ワカマツ監督が「安心した。これで重圧も消えて普段通りのイチローに戻るはず」と言えば、親友のグリフィーも「イチはもう大丈夫。何の心配もいらない」と太鼓判を押した。対戦打率4割を超える通算152勝右腕ミルウッドには投手別で最多の28安打となった。
 歴史的快挙の舞台になるであろうアーリントンはこの日も雨。2時間半以上待たされて中止となった前夜に続き、17分間の開始遅れ。その後も強さを増し、9回終了間際に1時間6分の中断後にコールドゲームとなった。13日(日本時間14日)はダブルヘッダーと過酷な日程となるが、心配なのは天気だけ。記録達成まで記者会見しないイチローは「お疲れさまでした」の一言を残し、足どり軽やかに球場を後にした。

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2009年9月14日のニュース