巨人の“元ツバメ戦士”は働き者!ゴン様で20勝!

[ 2009年5月10日 06:00 ]

<巨・中>ファンとハイタッチをする巨人20勝立て役者のゴンザレス

 もう2軍はごめん!巨人は9日、新外国人のディッキー・ゴンザレス投手(30)が中日戦に先発し、7回を6安打無失点で2勝目。3日に1軍に昇格して以来、14回連続無失点、四死球ゼロと抜群の安定感で、今後もローテーションの一角を担う。昨季ヤクルトを解雇された、ラミレス、グライシンガーに続く3人目の“元ツバメ戦士”の活躍でチームは4連勝。6年ぶりのセパ同時開幕で、両リーグ一番乗りの20勝到達を果たした。

 【巨人3―1中日】悪いイメージがあった東京ドーム。お立ち台から眺める景色は最高だった。7回無失点で2勝目。9連戦中の2試合で14回連続無失点は見事だ。「巨人は打線がいいし、前回と同様、(捕手の)阿部と呼吸が合って投げられたね」。ゴンザレスは大きく胸を張った。
 中盤までは粘った。5回までに6安打を浴びたが、縦、横、ブレーキが利いた3種類のスライダーを多投。3回2死二塁では強打のブランコに4球中3球もスライダーを投じて空振り三振に仕留めた。要所ではひじを下げて球の出所も変化させるクレバーさも披露。直球の割合を増やした6回はわずか4球、7回は9球で3者凡退に抑えた。
 ヤクルト時代の06年に9勝も、翌年に右ひじを手術して過去2年は1勝のみ。昨オフに解雇され、日米数球団のオファーの中で年俸3000万円と決して好条件ではなかった巨人を移籍先に選択した。だが外国人枠に入れず開幕は2軍。4月上旬には妻子が来日していたが、1軍での雄姿は見せられなかった。「選択は間違っていたのか…」とふさぎ込んだ時期もあったが、巨人入りの理由は同じリーグで古巣にリベンジするため。先発のコマ不足、中継ぎが登板過多だった正念場の9連戦で巡ってきたチャンスをものにした。次回のヤクルト戦は交流戦後の6月下旬。先発ローテーションは絶対に死守する。
 これでチームは両リーグで20勝に一番乗り。貯金11で首位を独走する原監督は「20勝?まだ計算は早い」と気を引き締めたが、助っ人右腕に関しては「粘り強く投げてくれた」と褒めちぎった。
 帰り際、ゴンザレスは「前回の東京ドームは巨人戦初登板で内容が散々だった」と言ったが、実は東京ドーム初登板。4回2/3を5失点だった05年8月31日の巨人戦初先発の球場は大阪ドーム(現京セラドーム)だった。とにもかくにも、新しい本拠地に対する“苦手意識”は消えたようだ。

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2009年5月10日のニュース