エースの責任感 岩隈続投志願に“無理するな”

[ 2009年5月10日 06:00 ]

<ロ・楽>4勝目を挙げた岩隈久志(右)と熱烈な握手を交わする野村克也監督

 【楽天6―2ロッテ】ベンチに戻った岩隈は汗ばんだアンダーシャツを着替え始めた。7回まで今季最多の124球。それでも今季最長の8回に視線を向けていた。

 「次も行きます」。志願の続投。しかし、佐藤投手コーチから伝えられた野村監督は驚きつつも強制ストップ。「点差もあったし無理させたくなかった。責任感が出てきたのかな。前向き。頼もしい限り」と今季初めてエースを褒め称えた。
 WBCの蓄積疲労で4月は100球未満の投球が続き、野村監督から「マウンドを降りたがる投手」と酷評されていた。5月に入って状態が上がり、2日オリックス戦で115球。この日は完投を狙った。だが2回1死一塁から3年ぶり2度目の3連続四球、2年ぶりの押し出しで先制点を許した。際どいコースをことごとくボールと判定され、逆球も多かった。
 「強く投げれば投げるほど体の開きが早くなった」。完投への意気込みがそうさせたが、3回から本来の姿を取り戻した。「力加減を変えて修正できた」。力がいる直球を減らし変化球を多く投げた。3回、先頭・根元にこの試合初めて投じたカーブが分岐点。次第に直球とシュートの速球系の制球力が上がり、6回2死三塁でベニーを最速の148キロで空振り三振に仕留めた。3回以降は1死球も3ボールはゼロ。その修正能力こそが岩隈の真骨頂である。
 2回まで48球を費やした球数が響き、今季初完投は逃したものの、7回1失点で4勝目。千葉マリンでは05年9月から5年越しの8連勝となった。「粘れて良かった。徐々に状態を上げて自分の投球ができるようにしたい」。今季最多タイの貯金8。首位を譲らない楽天の中心には負けないエースがいる。

▼楽天・聖沢(この日1軍昇格。9番先発で5回の同点打など3安打)とにかく結果を出したかったんでホッとした。(仙台から移動で)5時半起き。ちょっと眠いぐらいのほうがいいのかな。

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2009年5月10日のニュース