どこも「田沢強行指名」できなかった形

[ 2008年10月30日 20:19 ]

米大リーグ挑戦を表明していた田沢は、ドラフトで指名されず記者会見で笑顔を見せた

 米大リーグ挑戦を表明している田沢への強行指名はなかった。日本プロ野球組織(NPB)は9月11日の12球団代表者会議で、指名対象選手であることを確認。今夏の都市対抗でチームを優勝に導いた右腕への強行指名の可能性もにおわせていた。

 NPBは田沢のケースでは帰国後の一定期間、NPB球団と契約できないことを急きょ決めるなど、海外流出への危機感は強い。それでも、強行指名するのはリスクが高すぎたということだろう。
 田沢側からはドラフト前日にあらためて指名回避の要望書が出されたという。どの球団も社会人のトップチームとの関係悪化は避けたかったはずだ。そして何より妨害にしか映らない強行指名はファンの支持も得られない。
 ある関係者は「もし指名して獲得できたとしても、それはそれで、出来レースだったのではないかと見られかねない」と解説した。NPBはアマ選手の海外流出を防ぎたいという考えは一致していても、お互いの思惑や不信感から強行はできなかった。

続きを表示

2008年10月30日のニュース