長野変心 巨人以外もOK!阪神一本釣りも

[ 2008年10月30日 06:00 ]

巨人以外もOKの姿勢を見せた長野は何とも言えない表情で報道陣に対応

 阪神が30日のドラフト会議でホンダ・長野(ちょうの)久義外野手(23)を1位指名する方針を固めた。巨人入りを熱望する長野は2年前のドラフトで日本ハムから指名を受けながら入団拒否。その後もかたくな姿勢を貫いていたが、ここに来て態度を軟化させていることが判明。それを踏まえた上で課題である右の外野手獲得に踏み切った。またドラフトに引き続き、育成ドラフトも行われる。

 ペナントの借りはドラフトで返す?阪神が巨人と相思相愛の社会人No・1野手・長野を横取りする。都内のホテルで行われたスカウト会議。約3時間の議論を終えた黒田編成部長は「大枠は決めた。即戦力でいく」と話した。
 左の好打者である早大・松本も候補に挙がる中で、最終的に1位に選択したのは外野の広い甲子園にあうスピードとパワー、技術を兼ね備えた長野だった。もともと「右打ちの外野手」は今ドラフトの最重要課題だった。阪神の外野は金本、赤星、葛城、平野、林とすべて左打ち。金本は40歳を超えるなど高齢化が進む現実もある。右ではプロ7年目、25歳の桜井がいるが今季は2軍暮らしが長く、伸び悩んでいる状態。活性化を図る意味でも長野獲得は大きい。
 もちろん入団にこぎ着ける自信があるからこその指名だ。担当の菊地東日本統括編成課長が今年に入り長野を密着マーク。練習の視察に川越市の同社グラウンドを頻繁に訪れるなど誠意を示した。
 日大4年時に日本ハムの入団を拒否し、その後も巨人以外ならホンダ残留の姿勢を見せていたが、巨人が東海大相模の大田の1位指名を決めたこともあり態度を軟化させた。関係者には「巨人へのあこがれはまだあるし、日本ハムに失礼になるのも理解している。でも2年間待ったし、巨人から指名がなければ指名された球団に行くと思う」と漏らしているという。この情報を得たことが指名に踏み切る決め手となった。
 この日、長野は川越市の同社グラウンドでパナソニックとのオープン戦に臨んだ。試合後には「当日を待つだけ。他球団に指名されたら?ありがたいとは思いますけど…何も考えてません」と話すにとどまった。
 ペナントレースでは巨人に13ゲーム差をひっくり返され優勝を逃した阪神だが、将来のスター候補は譲れない。

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2008年10月30日のニュース