王VS原!4球団競合“大田争奪戦”だ

[ 2008年10月30日 06:00 ]

今ドラフトの目玉の東海大相模・大田

 WBCでタッグを組むOHがドラフトでは火花を散らす。4年ぶりの一括開催となるドラフト会議は30日に都内で開かれる。目玉である東海大相模・大田泰示内野手(18)には巨人、ソフトバンクなど4球団が1位指名を予定。抽選5連敗中の巨人・原辰徳監督(50)は“6度目の正直”に意欲。この日、WBC日本代表監督相談役に就任したソフトバンク・王貞治最高顧問(68)も熱いエールを送りプロ入りを勧めた。

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 最大4球団が競合する可能性がある大田。その争奪戦でWBCの日本代表指揮官の原監督と代表の監督相談役に就任した王ソフトバンク最高顧問が“激突”する。
 原監督にとっては東海大相模の後輩だけに外すわけにはいかない。自身が東海大から巨人入りした80年のドラフトでは、当時の指揮官だった故藤田元司氏が抽選で引き当ててくれた。当時を振り返りながら「信念岩をも通す」と強い決意を胸に運命の日を迎える。
 01年は寺原(現横浜)、06年は堂上直(中日)、そして昨年は由規(ヤクルト)、大場(ソフトバンク)、篠田(広島)。原監督はドラフトの抽選で5連敗を喫しているが、今年こその思いは強い。「つめを切ってお風呂に入って、身を清めてから自分も臨む」と例年通り、藤田氏と同様の験担ぎをしてから会場入りすることを宣言。さらに「いつもは右手なんだけどね。今度は左手にしようかな」と流れを変えるために左手で残り福をつかむ“作戦”も披露した。
 この日、東京・大手町の球団事務所でスカウト会議を終えた山下スカウト部長は「そういう方向で進んでいます。将来的に坂本との大型三遊間なら、夢のある組み合わせになる」と最大級の評価を口にした。
 “希望球団以外なら進学”の可能性がある大田。「辰徳さんみたいになりたい」と公言するなど希望球団は巨人が濃厚だが、最後まであきらめていないのが王氏だ。
 9月には進学濃厚だった大田に「プロに入る力がないわけじゃないのに。何でなんだ」とラブコール。これを伝え聞いた大田がプロ志望に変更した経緯がある。この日も「1日も早くプロの世界に飛び込み、ファンの前でプレーして才能を開花させた方がいい」とあらためてプロ入りを勧めた。報道陣に大田の両親が自分のファンと聞かされると「それなら、ぜひね」と笑顔を見せた。
 会議には出席せず、秋山新監督が抽選を担当するが、交渉権を得て球団から要請があれば、説得に全力を注ぐ構えだ。“藤田流”が実るのか、世界の王の情熱か、それとも…。目が離せないドラフトになる。

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2008年10月30日のニュース