日本シリーズ1日開幕 原監督は西武を警戒

[ 2008年10月30日 18:11 ]

西武・渡辺監督の采配を警戒する巨人・原監督

 ことしのプロ野球日本一を決める日本シリーズ、巨人―西武は11月1日、東京ドームで幕を開ける。セ・リーグ2連覇の巨人は21度目、4年ぶりにパ・リーグを制した西武は13度目(前身の西鉄を含む)となる日本一を目指す。

 巨人は昨年、リーグ優勝しながらクライマックスシリーズ(CS)で中日に完敗。日本シリーズ出場を逃したが、今年はCSで中日に雪辱を果たしての出場となった。西武もCSで日本ハムを退け、日本一に輝いた2004年以来の出場を手にした。
 両チームが前回対戦したのは02年。その時は原辰徳監督の巨人が4勝0敗で西武を圧倒した。

 西武の渡辺監督は相手が巨人に決まると「両リーグの1位同士の対戦になって良かった」と喜んだ。名実ともに“日本一決定戦”となったことだけでなく、巨人に特別な感情もあるからだ。
 渡辺監督は子どものころ、周囲の仲間と同じように巨人の帽子をかぶっていた。全国区の人気球団に対するあこがれとライバル心は、巨人相手の日本シリーズで力投してきた現役時代から変わらない。それだけに「今の子たちは意識しないのかな」と若手主体で気負いのないチームは、頼もしくも物足りなくもあるようだ。
 交流戦では3勝1敗と勝ち越したが「あのころはけが人が多く、勢いと迫力のある今とは別のチーム。13ゲーム差をひっくり返した底力が、巨人にはある」と警戒する。
 「李スンヨプの分だけで、うちの先発全員の年俸を賄えるでしょ。うちは美男選手も多いし、勝って全国的に認知されたい」。打倒巨人で“金持ち球団”に対するアンチテーゼを示し、自軍の人気アップも果たすつもりだ。
 原監督にとっても「選手時代から命懸けで戦ってきた」という西武は特別な相手だ。2002年の監督就任1年目でリーグ優勝を果たすと、日本シリーズでは4連勝で西武を下した。怖いもの知らずで戦えるルーキー監督の強みを知るだけに、1年でチームを立て直した渡辺監督の采配に対する警戒心は強い。
 両監督には巨人の伊原ヘッドコーチ、西武の大久保打撃コーチと、両チームでユニホームを着たコーチが控える。こうした参謀の力を、指揮官がいかに引き出せるかも勝負の分かれ目になるだろう。

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2008年10月30日のニュース